素質

昨日のブログ記事に対するリプライから一つのヒントをいただけたような気がする。
今日はそこから展開してみたい。
ウチの娘はテレビでホラー映画やってると、テーブルの下に潜って後ろ向いて鏡に映した画面を見てました(ややこしいww)そんな娘も今じゃホラー大好き。1人で映画館に行ってます。。ついてけません(^o^;) 
「怖いものを正しく怖がりつつそれでも恐る恐る見る」という姿勢こそ「ホラー道の素質あり」ということなんでしょうかねぇ(´∀`)深い! 
 ホラー映画ファン人口というものは、みなさんが思っているよりも大きな市場のような気がしている。
スティーブンキング原作の「IT」のリメイク版が昨年下半期の劇場動員ランキングで大健闘をしていたのは記憶に新しいが、「適度に怖がりたい」というエンターテイメント市場というものは、実はいろんな方向に広がっている。
 
富士急ハイランドが見事なV字回復を遂げたのは「絶叫マシン日本一」をコンセプトにしてから以降の話だし、激辛料理に挑戦するマインドというものも、どこか絶叫マシンやホラー映画に通ずる何かを感じる。
また僕がヘヴィメタルやパンクといった未知の音楽を初めて聴いた瞬間なども同じ感じがした。
それらをストレートな表現でするならば、どれも怖いもの見たさである。
 
そんなわけで僕は「ホラーとロックとジェットコースター(と激辛料理)」を同類項として扱っている。
 
さて、この共通の要素最大の特徴は「基本的に苦手、もしくは未知のジャンルへのトライ」が入り口にあり、そこから「嫌いじゃないかも?」と「さらにその先を見たいかも?」といった願望が芽生えた場合のみ、道が開けるようになっているらしい。
「初めてのジェットコースターは怖かったけど、今まで感じたことのないスリルだった」といった感想は実に理想的であり「向いている人」となるのだろう。
 
「あまりに怖かったのでもう二度と乗りたくない」、あるいはその真逆の「ちっとも怖くなかったので興味が持てない」といった人々には、この道は開かれないのだろう。
この「まるで怖くなかった人」というのを激辛料理に例えると「ココイチの5辛がちっとも辛くない」といった、辛いという味覚が特に強い人を指すようなものだろう。
 
世の中にはもっと辛いものはたくさんあるだろうけれども、一般社会の尺度でそれらを探すのは難しい。「蒙古タンメン中本」レベルの激辛店がどこにでもあるわけではないのだ。 
同様に富士急ハイランドの「FUJIYAMA」がちっとも怖面白いと思えない人は、……少なくともFUJIYAMAに今後乗る意味はまるでないということになる。
 
つまり、ホラー映画を見てちっとも怖いと思えない人は、怖くて怖くて堪らない人以上に「ホラー映画の素質がない」ということになるのだろう。
 
指の隙間からチラチラでも見てしまう、あるいはテレビに背を向けて鏡に映った画面を覗くように見る、といった行為は「怖いんだけどどうしても気になる」という興味と欲求が非常に高い状態であることを示しているわけだし、ホラー映画の本質的な目的は紛れもなく「怖がってもらうこと」が第一であるのだから、そこに食いついてくる怖がり屋さんこそが最もホラー映画に適したニッチな人種ということになるのではないだろうか?
 
繰り返し見ていくことで耐性はついていくし慣れも生じてくるが、基本的に僕は怖いものは今も「怖い」と感じ続けられている。
ファンやマニアを自称しているが、ジャンキー、中毒にはなっていないのだろう。なぜって怖いもの!
「より怖いもの」を目指さないのは、そういった症状までには進行していないことを裏付けているし、やっぱり怖すぎる映画なんて怖すぎるもの!
適度に怖い、自分の限界ギリギリまで怖い、ぐらいじゃないと困る。怖すぎるの反対!無理!
(バイオハザードのVR版なんて絶対にやりたくないし、ドラムの淳士くんの演技見たさに「トイレの花子さん」はとても見てみたいのだけれども…ジャパニーズホラーが本当に苦手なので未だに見られてなくてゴメンね淳士くんってブルハチメジャーデビューおめでとうございます(^^)
 

最後にそんなへっぴり腰のホラー映画好きの僕がこれまで見てきた映画の中で非常に苦手な映画を一つ紹介しておこう。
 
 
「ブラックスワン」である。
 
この映画、ナタリーポートマン主演の「白鳥の湖」を題材にした映画なのだが、ホラー映画というわけではない。
むしろ「芸術作品」と感じた人も少なくないことだろう。
しかし僕個人的には見ていてキツいシーンがやたら多い映画だった。
「SAWシリーズ」まではいかないにしても「爪をハサミで乱暴に切っていてケガをしてしまうシーン」といった本筋とは特に関係のない無駄に痛いシーンが多く、また悪夢や幻覚による不快なシーンも非常に多く、精神的にどんどんつらくなってくる映画なのだ。
最後は現実と悪夢と幻覚の区別が見ている観客にもつかなくなってきてしまい、最悪のバッドエンドを迎えてしまう。
 
首チョンパや血飛沫ドビュー!といった低俗なショックシーンはゲラゲラ笑ってしまう僕ではあるのだが、こういった心理的にしめつけられるような演出はとても怖いと感じてしまう。
ある意味「悪魔のいけにえ」以上に苦手な映画である(;^_^A
 
しかしクライマックス、黒鳥パート究極の演舞シーンは映像的に非常に優雅で圧巻の表現がされながら、チャイコフスキーの楽曲で最も有名なあの「白鳥の湖」のテーマが!……そこだけでも全てのモトが取れるぐらいに素晴らしい映画でもあった。
けれどもそんなわけでサスペリア以上にもう一度見るのは精神的にちょっと……と尻込みをしてしまう映画なのでもありました。
 
興味のある方は是非!←一応オススメはしておく(笑)