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ブラジルで皆既月食

ブラジル公演が終了した。
始まる前の会場からしてただ事ではない盛り上がりだった。
ステージにスタッフが上がるだけで、もうそれだけで大歓声が起こる。
都度起こる。
小心者のスタッフはバレないようにコッソリ上り、目立ちたがりのスタッフは味をしめて何度もステージに忘れ物をしていたというのは冗談である。

僕は小心者なのでバレないようにコソコソと作業をしていた。
バックアップのハードディスクの調子が悪く、いつもだったら5分で終わるコピー作業がなぜか20分以上かかってしまい、複数回のコピーの必要があったのでいろいろ策を講じながら作業をしていたらミート&グリートが始まってしまい、さらには開場時間も過ぎてしまっていた。
いや〜んな空気感ではあったがパソコン本体はすこぶる調子が良さそうなのであまり追求せずに作業を終えることにする。

南米ツアー1本目!
本番が始まると会場はまさに歓声の渦。
この感じにもっとも近いのは、、、やはり2010年のチリライヴであろう。

僕自身は本番前に頭の両サイドをバリカンで刈り上げたので全身がチクチクしていたり先ほどのハードディスクトラブルでちょっとナーバスになっていたり時差ボケがまだ完全にとれてなくて眠くて不機嫌だったりしていたのだが、そんな細かいことは一瞬でどうでもよくなってしまった(笑)

途中ハイド氏のM.Cもバッチリと通じているようで、何をしゃべっても大歓声が返ってくる。
ポルトガル語の難易度はかなり高めに感じるのだが、不安そうに喋り始めて大歓声が返ってくる度に嬉しそうな表情をするハイド氏がなんともチャーミングだった。

今回も僕のピアノソロがあったのだが、ここの盛り上がりも何かおかしいぐらいに盛り上がってしまっていた。
え?でもなんで?普通そういう盛り上がりはしないだろー?(-"-)?
と思いながら弾いていたのだが、のちに僕の横で某ベーシスト氏が伴奏に合わせて指揮をしていたということをスタッフから聞いた。

なーんだ、そういうことだったのか(^^)

…って、叙情的なソロなのになんてことしやがる!(笑)

昨日はライヴ後の日本への情報のフィードバックの早さについてツイートをしたのだが、考えてみればそもそもブラジルのお客さんがアンコールのレスポンスにしても各曲のライヴアレンジ部分なども熟知しているようで、こういう部分でもYouTubeをはじめとするネットの威力を改めて感じた。
初めて訪れる国なのにみんないろいろ知っている。
予習バッチリなのだ。
これもやはりネットの威力なのであろう。


こうして南米ツアー1本目のブラジルは大成功で終了できた。
終演後の打ち上げもいつもよりも熱い内容となり、後半もラテンな雰囲気で楽しく盛り上がり酒宴は午前2時半まで続いた。

とても幸先の良いスタートとなった。

ところで昨夜はスーパームーン状態で皆既月食を拝めるという、実に実にレアな夜のはずだったのだが…
僕に限って言えば「でもそれは南米では見られないんでしょー」と思い込んでいて、南米でこそ見られるという事実を知らないままでいた(大馬鹿者)。
今思えばツイッターのリプライでも「そちらでは…」と言われていたのに(大馬鹿者)、そもそも北半球と南半球じゃ月のカタチも違いそうなものだしぃ。
とも思い込んでいた。

北半球と南半球というよりも地球の縦軸での位置関係で月食を見られる地域と見られない地域が分かれるそうなのだが、どちらにせよ知らないままでいた。
(メンバーもスタッフも誰も騒いでいなかったので、僕だけでもなかったようだが…)
eclipse-2_pc_ja

おかげで貴重な皆既月食を見損なってしまったかのような書き方をしてはいるが、昨夜は0時を回ったあたりからサンパウロは非常に激しい雷と大雨と強風が吹き荒れていた。
外に出たら3秒でたちまちズブ濡れになってしまうような嵐で、とてもじゃないけど月食を拝める気象条件ではない。

むしろ楽しみに待っていたら「今まで晴れていたのになんで…」と心底ガッカリするような気象の変化だったので、知らないままのほうが幸せだったのだ。
「残りの余生でこんな僥倖は二度とないだろう…」なんて思うのは不幸だ。うんそうだ。


ところが打ち上げが終了した午前2時半頃には先ほどの嵐がウソのように消え失せており、空は曇ってはいるけど月が見えそうな気がしなくもなかった。
その時の僕の心情はこうだった。
「あ、そういえば日本では中秋の名月とスーパームーンが続いていたんだっけ。南米では月はどんな風に見えるのかな?」

部屋の窓から空を見上げたが月は見えない。
角度的に見えないのかな?と向かいの部屋のマネージャーにメールをしてみた。
「そちらの窓から月見える?」
返事がすぐに返ってこなかったのでもう一度空を眺めて眠ることにしたzzz


翌朝朝の7時半に元気よく起床。
時差ボケはまだ続いているようではあるが、唯一便利なのは「とにかく目覚めがバッチリ」であることだ(笑)

マネージャーから「今は月見えません」と3:15に返信があったようだ。
パソコンを開きネットニュースを眺めていたら昨夜の月食についての話題があった。
あれ?南米でも見られたの?
この時点で初めて状況を理解する。
weathernews.jp
皆既月食が起こるのは午前2時11分から。

まさに昨夜僕が空を見上げた時刻近辺に一致するではないか!

しかし月は見えなかった。
部屋の角度が悪かっただけかもしれないし雲に隠れて見えていなかったのかもしれない。

だが待てよ…
もし自分の眼の前で皆既月食が起こっていて、今まさに月が完全に隠れた状態の空であったら?という可能性は否定できないのはあるまいか?

だとしたら、「私は皆既月食を見た!」ということになるのかもしれないのだ(どどーん!)

いや、ここまで状況が揃っているならば、これはもう「見た」ということにしてしまってもよいのではないだろうか?(笑)

ダメですかね?

皆既月食ということを知らずに一瞬空を見上げていた、というシチュエーションが妙に面白かったので、悪い癖が出てまた無駄に長い文章を書いてしまいました(;^_^A

まぁ皆既月食というのはきっと「月が欠けていく過程」であり、その過程を経て完全に消えた後にまた現れてくる、という状況を確認して初めて「見た」と言えることだと思うので実際は「見てない」のでしょう(笑)

しかしどちらにせよ相当印象に残る皆既月食であったことは間違いありません。
南米ツアーの初日大成功の夜、嵐の後に起こっていた皆既月食ですからね。

少なくともこんなシチュエーションで見る月食なんて、それこそ残りの余生ではもうないだろうなぁ(笑)