カンザスシティーまで

唐突にアメリカ横断ツアー日記を再開する。

合間合間で更新をしていかないと今月にはまたイギリスツアーが控えているではないか!いやその前にはJOINT666やオズフェスもあるのだ。

まとまった時間の取れる時期になる頃にはすっかり忘却の彼方の出来事になってしまいそうである。
かろうじて細かなメモが残っているので思い出せることも多いが、細部の記憶は既にかなり怪しい。
本来ならダイジェスト級に急がねばならないのだが、日記のモットーは「あくまでもどこまでも細かく」なので、内容そのものは決して焦って書いてはならないのである。

kansas

そろそろ長距離移動に耐性がついてきたのか1000km程度の移動でビビらなくなってきている我々(笑)。
1000キロという道のりは普通だったら飛行機移動する距離だが(東京ー山口間)、バスに乗り酒を飲みながら談笑し酔ったらベッドで寝て起きたら会場前に到着しているという流れは、考えようによっては実に快適な手段でもある。

これが飛行機の場合だとどうなるかというと…
空港まで車で行き荷物を預けてX線検査を受けてパスポートのチェックをされて1時間の余裕をみて飛行機に乗り込み狭い座席に拘束されて到着したら長い通路を歩きまた荷物をピックアップして…
飛行時間そのものは短くても前後の手続きの多さと煩わしさには毎度辟易とさせられる。

そう考えるとバスの旅は決して悪いものではない。
ただし、それはバスが一定ライン以上のクオリティーであった場合という限定条件を今後は必須項目にしたい(笑)

といいたくなるほど、、、

それにしても本当によく壊れた(笑)

既に周知の事実のこととは思うが、久々の再開でもあるのでこれまでの経緯をまとめてみる。

サンフランシスコ→ラスベガス間にまずトランスミッションの調子がおかしくなりはじめ、一定速度になるとスピードセンサーが働きローギアに入ってしまうというギアボックストラブルが起こる。
センサーのケーブルの断線によるものらしく、ケーブルの不良部分を切断してつなぎなおすという処置を施したらしい。

ラスベガス滞在中は発電機がオーバーヒートで頻繁に止まるようになった。
まぁ外気温が50度近くまで上がる砂漠気候の中で一日中発電機を動かし続けていたのだから無理もない。

その後はオイル漏れがひどくなってくる。

さらには発電機の排ガスがバス内に侵入してくるというデンジャーな状況も起こる。

デンバーからカンザスシティーに向かい始めてすぐにギアボックストラブルが再び起こったところまでが前回のお話だったはずだ。

トラブルが起こる度に運転手のデレック氏はレンチやらドライバーやら工具一式を出してきて直す。
彼の口癖は不良部分をひたすらつぶやくというものだった。
「ジェネレーター…ジェネレーター…」
「タイヤ…タイヤ…」
といった具合だ(笑)

逆にそんな整備不良のままでツアー始めるなよ!と最初は突っ込みたくなったし、みんなで「ポンコツ!」とバスに悪態をついていたのも事実だ。

しかし全米横断ツアーバスというある意味特殊な用途で考えてみると、これは切れ間なく常に壊れ続けているものなのかもしれないなぁ…とも思い直した。

全米横断が前提となると、一度のツアーで5000km〜今回のように10000km以上の走行をすることになるのが日常の世界だ。
一ヶ月でそんな走り方をしている連続ということになると、ものの数年で数十万キロといったかなりのヘビーユースになるに違いあるまい。
長距離ドライバーは安全運転の技術はもちろんのこと、ちょっとやそっとの故障ならば自力で修理してしまう知識や能力も必要不可欠になるのだろう。

「ウォーキングデッド」というゾンビドラマはゾンビのいない安住の地を求めてアメリカ中を車で移動しながら時には農場、時には刑務所などを陣地にし生き延びていく物語なのだが(一応説明してみたw)、このドラマの中でも自動車が本当によく壊れていた。
本当はすぐに修理できたのだけどもあえて手こずるふりをすることでその場に留まる…なんてドラマがあったりもした。
映画「マッドマックス」では走行中のトレーラーの下部にぶら下がりながら直してしまうフュリオサ大隊長というシーンもあった。

ロードムービーの多くは「車が壊れる→修理する」といった描写が必ずあるといって差し支えないのではあるまいか?

さらに深く考えてみると、例えばトヨタのハイテク車プリウスはアメリカでも大人気のハイブリッドカーだが、確かにロサンゼルスやシアトルといった大都市では日本と同じぐらいよく見かける車なのだが、デンバーやカンザスシティーといった内陸部ではほぼ見かけることがなかった。
内陸部は断然アメ車勢が強く、そしてピックアップトラック系が目立った。
生活スタイルや地理地形の関係もあるのだとは思うが、別の視点が見えてきた。

いかにも丈夫そうであり構造が昔ながらの車、それはつまり修理のしやすそうな車ではないだろうか?
広いアメリカではディーラーやロードサービスがいつでもどこでもやってきてくれるというわけにもいかないだろう。

そして日本車はめったに壊れないけどアメ車はすぐ壊れる、というイメージにしても、これは「修理のしやすい車」である必要悪のようなものなのでは?と思ったりもした。
ちょっとした車のメンテや修理はオーナー自らが直してしまうのが基本スタイルなのではないだろうか?
そのスタイル前提のためにハイテク装備をあえて実装させてないシンプルな車が内陸部で売れているアメ車ということになるのではないだろうか?

僕も去年までプリウスに乗っていたのでよく知っているのだが、プリウスのエンジンルームは車というよりはどちらかというと自作パソコンの中といったほうが近いと思う。
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まさにブラックボックスの集合体、ボンネットをあけたところで大半の人はウォッシャー液の充填ぐらいしかできないと思われる(笑)

こんな車が壊れたら素人はおろか、JAFの人でもキチンと対処できるものかどうか…大いに疑わしい。

今回のバスは本当によく壊れた(笑)
予告しておくが今後もさらに深刻なトラブルが起こり続ける。

だけども、とりあえず僕らは結果として怪我一つせずにツアーを終えることができた。
トラブルは起こり続けたけどキチンと対処し続けてくれたデレック氏のおかげで僕らは命拾いをしたともいえるのだ。感謝しなければならない。


久々にGoogleMapのマイマップを開いてGPS情報の入力を…すっかり忘れているし。

ToKansas

カンザスシティー到着で3,974km。
え?ライヴ的にはまだ5箇所目だって? (;゚д゚)