楽屋ミステリー

VAMPS LIVE ZEPP福岡の最終日は記録的大寒波、まさかの大雪だった。
40年ぶりとか100年ぶりとかの様々な記録が更新された日となったらしい。
 
そんな中でのZEPP福岡VAMPS楽屋で小さなミステリー劇が起こった。
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おおよそ怪事件が起こりそうもない明るい楽屋写真 
 
と書いてアガサ・クリスティーばりの密室劇でも起こったの?と思ったあなたは不正解である。
読み物として単純にZEPP福岡最終日の楽屋風景レポートになっているので、一旦ミステリーのことは忘れて読んでいただけたらと思う。
 

11時45分、サポートメンバーの我々3人がまず会場に到着。
ステージ下手側の入り口からバックステージ内に入る。
長い廊下を上手側にあるメンバー楽屋まで歩く。
しかしとにかく寒い廊下だ。
 
楽屋の中は幾分暖かいがまだ温まりきっていない感じだ。
なんとなく定位置となっている自分の席に座る。
カラーコンタクトを入れたケースがひっくり返っていたので元に戻す。
 
まずは食事だ。
福岡と言えばご飯が美味しいのが有名だが、ケータリングの食事までもが美味しい。
特別なメニューというわけでなく、ごく普通のハンバーグであるとかアジフライなのだが、なぜか美味しい。
理由は明確だ。
例えばハンバーグのソースが美味しかったり、アジフライにかけるソースもおろしポン酢だったり手作りのタルタルソースだったり、あるいはサラダのドレッシングもゆで卵和えの濃厚マヨネーズだったり、
とにかく「ひと工夫」が複数凝らしてあるのだ。
そこに福岡のお約束である辛子明太子がご飯ジャーの横に必ず置いてある。
なんという心遣いであろうか!
しかしこれではつい食べ過ぎて太ってしまうではないか!
 
僕がツイッターで「ただでさえ何を食べても美味しい福岡なのに、ケータリングのご飯まで毎度美味しいのはいかがなものか。」と苦言を呈したくなる気持ちもわかっていただけるかと思う(笑)
 
そんな素敵な昼食を終え、今日のセットリストを確認する。
今回のツアーはジョイントだったのでずっと15曲で構成されていたのだが、福岡と札幌の追加公演はワンマンライヴなので従来の曲数でのセットリストだ。
これが案外しんどく感じるというか……単純にセットリストが物理的にも長い(笑)
 
ステージ上に移動し自分のシステムを起動、DAW「DigitalPerformer」を立ち上げる。
今日の曲順にデータを並び替えながらコーヒーで暖をとる。
本番中のステージ上は真夏のように熱いが、この時間はメチャクチャ寒いのだ。
ちょっとしたコンピューターの処理時間中にピアノの運指練習などをしつつ、30分ほどで最初の準備を終えて楽屋に戻る。
 
コーヒーをもう一杯注いで自分の席に座ると、コンタクトのケースがひっくり返っていたので元に戻す。
このタイミングはアーリーやジューケンらがメイクや筋トレをしている時間であることが多く楽屋には誰もいなかった。
程なくして僕も髪だけセットしてもらってるあたりでカズ氏が会場入り。
雑談をしているうちにハイド氏も会場入りし、まもなくリハーサル。
 
リハーサルはその日久しぶりにやる曲を中心としつつも、曲間の短い部分やギターの持ち替えなどの確認をしながら進めていく。
この日はとても順調にリハーサルが進み、30分ぐらいで問題なく終了。
最後にデータのバックアップをとり、指差し確認でシーケンスの最後のチェックをする。
問題なし!と楽屋に戻ったところで、ようやく今日の異変をハッキリと認識する。
 
コンタクトのケースがまたもやひっくり返っているのだ。
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これは、明らかにおかしい。
 
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(通常ポジションのコンタクトケース)
 
何かの拍子でケースがひっくり返ることはいくらでもあるとは思うが、僕が使っているカラーコンタクトは表と裏の判別がとても難しい形状をしており、経験した人ならわかると思うがコンタクトの裏表を間違えて装着した時のあの気持ちの悪い違和感を味わうのがとてもイヤなので、ケースの取り扱いが雑にならないように日頃からかなり意識しているのだ。
 
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メンバー楽屋の見取り図はこのようになる。
 
テーブルは主にサポートの3人で共有しており、入ってすぐが僕、その正面にジューケン、その横にアーリーが座っている。
VAMPSの二人は鏡台のついた壁側に座っている。
洗面台やソファーもあるが、話には関係ないので書いていない。
 
その誰もがその気になればコンタクトケースをひっくり返すことは可能だろう。
位置的にはアーリーとジューケンはヒョイと手を伸ばせばすぐにでも実行できる距離にいる。
 
だけど…こんな些細すぎるイタズラをやろうと発想する人などいるだろうか?(-“-)
特にヤンチャでワンパクなリズム隊の二人が、イタズラとしての結果があまりにも地味すぎるこんなイタズラをするとは到底思えない。
 
しかし誰かが明確な意思を持ってケースをひっくり返しているのだ。
ここは名探偵コナンの気持ちになって推理をしてみよう。
 
楽屋に出入りしていた容疑者をリストアップしてみる。
・ハイド氏
・カズ氏
・アーリー
・ジューケン
この4人は大体いつも楽屋にいる。動機は思いつかないが差し当たってもっとも犯行しやすい4人。
しかし不在の時間がそれぞれあるので単独犯は考えられないだろう。
もしかして全員が共犯!?
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(もはや自分も含め全員があやしくみえてくる(笑))
 
・ケータリングAちゃん
各楽屋を定期的に巡回して掃除をしたりタオルやドリンクなどの補充をしてくれている現地スタッフ。影アナもこなす。
動機はやはり思いつかないが、犯行ができなくもないポジションにいたのもまた事実である。
 
・カメラマンTさん
・ライターY女史
この二人は会報の取材でかなりマメにメンバー楽屋を出入りしている。気がつくと背後にいるような、いわば空気のような存在でもあるので、犯行をしても誰も気がつかないとも思われる。些細なイタズラをしそうな性格という点ではやりそうに思えなくもない。
 
・マネージャーK君
コンタクトの管理そのものをしてくれている男子。いろいろ細かいことに気がついてくれるナイスガイの彼がこんなイタズラをするはずもないのだが、僕のコンタクトにもっとも精通しているという点は見逃せない。
 
容疑者は以上の8名。
 
だがしかし、こんなイタズラをしたところで「あまりに面白みに欠ける」という点は全員に共通する要素でもあり、そもそもイタズラとして成立するのかさえ疑わしい。
事実カズ氏に尋ねたところ「え?どっちが表だっていいじゃん」というズボラな答えしか返ってこないぐらいにどうでもいいっちゃどーでもいいことだからだ。
 
……名探偵コナンモードをここで終了とし、太陽に吠えろ!モードに移行する。
なんのことはない。
全員に聞いて回るしかない。
 
ちょうどアーリーとジューケンが隣のメイクルームにいたので単刀直入に聞いてみた。
「あのさぁ、僕の使ってるコンタクトケースが気がつくとひっくり返っちゃっているんだけどね、その、二人はケースをひっくり返すとかのイタズラしないとは思うんだけど、してない……よね?でももしかして……した?」
身も蓋もない上に歯切れも悪い。
 
この時の二人が僕を見るフクザツな表情は忘れられない。
あまりに予想外のことを聞かれて理解するのにやや時間がかかったようだが、アーリーから吐き捨てるように「もしするならもうちょっとエグいイタズラするよ!」と言われる。
それを聞いたジューケンは爆笑しつつ「そんな地味すぎるイタズラ…えぇぇ、それイタズラ?ってかそんな些細なことする意味ってなに?」とまるで取り合ってもらえなくなった。
さらに二人はメンバー楽屋のカズ氏に吹聴しに行き、やがて壁伝いで一同の爆笑が聞こえてくる。
しまった。聞くんじゃなかった。
 
後の聞き取り調査は一様に同じ反応であったし、ハイド氏にいたっては呆れ果てた表情でプッと笑っただけでしばらく口もきいてくれなくなった。
 
その後の展開は読者のみなさんの想像通り、目を離すたびにコンタクトのケースがひっくり返るようになってしまった。
そこにいるみんながこぞってイタズラをやりだしたのだろう。
 
あぁ!これで永遠に真犯人がわからなくなってしまった!
 
極寒の中のライヴは無事に終わり、終演後の打ち上げもつつがなく終わってホテルに戻る車内で「結局誰がやったかわからずじまいで終わったの?」とハイド氏がつっこんで車内爆笑となりこの話はおしまいなのであるが…
 
ホテルの自分の部屋に戻ってふと机の上を見た瞬間に戦慄が走る。
そこにはあるはずのないコンタクトのケ−スが逆さまに置いてあった
 
 
 
…ら、さぞかし怖いだろうなぁと思っただけで実際そんなことはなかったのだけども、今となっては「もしかしたら?」とそっち方面、つまりおばけとか超常現象だったのかも?と思ったりもしている。
 
 
「辻褄の合わない出来事」
日本人は古来からこういった現象を妖怪の仕業としてきた。
「妖怪ウォッチ」に関してはまったく知識のない僕なのであるが、例えばこんな現象を起こす妖怪がいるとしたら、どんな妖怪なんだろうか?
 
眠気を誘発する妖怪とか忘れ物をさせる妖怪といった単なる言いがかりとしか思えない部分まで妖怪のせいにされているようだが、ちょっとした些細なイタズラをコッソリ楽しんでいる妖怪がもしかしたらZEPP福岡に住んでいるのかも?
と考えたらちょっとほっこりできた。
 
 
理由はわからないけれども、コンタクトケースが気がつくと3回ひっくり返っていたのは本当の話。
いろいろ考えたけれどもなぜそうなったかは不明。
人為的なイタズラなのかお化けか妖怪のイタズラなのかも不明。
 
かなりどうでもいい話でしかないのだけども、そんなことがZEPP福岡最終日のバックステージでとても地味に起こっていましたというお話でした(笑)