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人工知能音楽キタ!

今年の1月に「機械とヒト」というエントリーをした。
特性としては本来向いていない方向性をお互いに追い求め続ける機械とヒト。
ここ数年、人工知能(AI)の開発がめざましい進歩を遂げているらしい。

今現在はまだ融合の難しい音楽事情ではあるけれども、いずれは画期的な発明がされるかもしれない。
テンポ解析にしても、もしそれがリアルタイムに検知されるようになったらどうだろうか?
我々が「キッコッコッコッ」というクリック音を聞かずともコンピューターが勝手にくっついてくるような技術に昇華するかもしれない。

さらにSiriのような技術が応用されるようになれば、人間のセッションに参加するコンピューターミュージシャンが生まれることになるかもしれない。
(一部抜粋)
 
人工知能の進化によってヒトと機械の演奏がより自然に融合する未来がそこまで来ているかもしれない、という期待を込めた内容だったのだが、来た!
 
ってか、もうキタ!
 
 
 
YAMAHAが開発した人工知能音楽システムなのだが、今度の自動ピアノは人の空気を読む!
 
どういった仕掛けで作動しているのかは知らないが、動画を見る限りはプレイヤーとアイコンタクトをしているかのような演奏を本当にしている。
 
カメラがあるのだろうか?
微妙な振動を検知しているのだろうか?
 
想像もつかないけれども、画期的な発明の仕掛けがすぐにわかってしまったのでは面白くない。
もっとも、僕のような凡人が想像を巡らせて仕掛けがわかるようなチープなシステムとも思えない。
いずれ商品化されパンフレットなどに書かれた説明を今から楽しみに待つことにしよう。
 

技術者が凄い楽器を発明する。
その楽器を使って新しい音楽が生まれる。
技術者には思いもつかない発想で新たな音を奏でるのがミュージシャンの役目となるのだろう。
 
新技術によってまた新しい音楽のスタイルが生まれてくるのかもしれない。
 
振り返って考えてみるとYAMAHAは結構昔から大掛かりな音楽貢献をしてきている企業だと思う。
 
豊かになってきた日本をもっと文化的に!とピアノの販売をし、ピアノ設計で余った木材を流用してエレクトーンを作る。
教育機関が不足しているとみれば音楽教室を開設し、音楽のインフラを整備していく。
 
さらには新たなジャンルの台頭に合わせてポプコンやイーストウェスト、バンドエクスプロージョンなどのコンテストでアーティストそのものを一般層から募り発掘していく。
中島みゆき、谷山浩子、世良公則、佐野元春、長渕剛、チャゲ&飛鳥、杉山清貴、カシオペア、サザン、シャネルズ、爆風スランプ、エレカシ等々…
 
優勝者の華々しいデビューを目の当たりにしてさらに活性化していくアマチュア音楽シーン。 
 
楽器開発をするだけでなく、楽器の用途や楽しみ方を併せて提供していく企業方針は実に理に適っていると思う。
 
 
僕自身がヤマハエレクトーン教室の出身なのだが、エレクトーンを弾くことから音を作ることに興味が次第に移行していき、シンセサイザーという方向に視線が移った瞬間、エレクトーン教室一階にある楽器店にちゃーんとヤマハのシンセが置いてあるのだから実に抜け目がない(笑)。
  
YAMAHAをヨイショすることがこのブログの目的ではないのだが(笑)、僕が高校一年生の時に発売されたDX-7という低価格の新型デジタルシンセサイザーがなければ、今の音楽の歴史は随分と変わっていたに違いないのだ。
 
当時のDXは200万円でも確実に世界中のミュージシャンが買ったはずの革新的な技術だったのにも関わらず、販売価格は24万8000円であった。
 
この大英断がその後のデジタルシンセの低価格化、一部のお金持ちのみが所有することを許されるというハードルを一気に押し下げた歴史的な名器とも言えよう。
 
yamaha_dx7
(僕の生涯の中でこれほど恋い焦がれ切望し何度も夢の中に出続け、ついに手にした時のかけがえのない喜びを味わった楽器も他にない。カタログスペックを丸暗記し楽器屋に入り浸りバイトをして…当時高校1年生だった僕が一目惚れしてから我が手中に収めるまでに要した年月2年と3ヶ月。30年経った今も当時の記憶は鮮明に残っている)
 

話が逸れた。
 
新しいAI音楽技術を世に投入してきたのは今回もYAMAHAであったということをお伝えしておきたかった。
 
無論、技術が全てではないし、技術に支配されるだけの音楽なんてチンケなものでもない。
 
だけども技術なくしては音楽の進歩ももはや少なく、停滞するには惜しすぎる人間の歴史の一部でもあり表現手段でもあるのだ。
 
「キッコッコッコッ」というクリックに支配された音楽の作り方が今後根本的に変わっていくのかもしれない。
 
きっと出てくるってか…
 
必ず出てくる!
 
 

YAMAHAの提唱する高次元なアンサンブルはあくまでも僕らとは違う次元で進化していただくとして、ポップスフィールドではどんな応用ができるだろうか?
 
まずはなんといってライヴ時における「アーティストによる完全フリーテンポによるステージの支配」であろう。
アーティストの一挙手一投足にリアルタイムで追従するシーケンス、それに合わせてシンクロする照明、レーザー、特効。
人が見て機械を操作するのではない。
AIが判断して正確に追っかけてくる。
……なんだか凄そうなことができそうな気がする。
 
MC時の煽りなどはこれまでシーケンスが最も介入しにくいシーンであったが、それすらもAIが適材適所の判断をしてくれるなんてことも可能になりそうだ。
 
 
その他にも短絡的に想像がつくのが、誤動作を面白おかしく逆利用するような遊びが主にネットを通じて広まるだろう。
「初音ミク」も当初はそんな感じで始まった文化だった。
 
まさかヴォーカロイドがここまでの市民権を得るとは誰も想像していなかったことだろう。
(ヴォーカロイドは念のため元々YAMAHAが開発したもっと学術的ポジションで発売されたツールであった(笑))
 
素晴らしい技術を活かすも殺すも人次第なのだ。
 
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そんな「お遊び」も含めての音楽。
どこでどう転ぶか、どこにどう転んでいくかなんて誰にも想像がつかないだろう。 
 

人類の絶滅の引き金になるとも恐れられているAIではあるが、音楽に関してはもうしばらく進化をしても問題はなさそうだ。
 
刮目して待て!
 
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