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Light in Darkness

光と闇という対をなす言葉からみなさんは何を連想されるだろうか?
 
若い人ならファンタジー系のゲームや映画の定番コピーといったイメージだろうか?
その他にも全年齢層に浸透しているであろう「○○の抱える光と闇」といった言葉の使われ方は、既に慣用句的ポジションに到達しているようにも思われる。
 
しかし今日のテーマはそういった意味での「光と闇」ではなく、単に「明るい暗い」の話であり、ちっとも難しい話じゃないのでご安心いただきたい(笑)
 
 

ところで我々ミュージシャンは普通の人よりも暗闇の中にいることが多い。
どこでしょう?
そう!ステージ上のことである。(答え早)
 
イメージ的にはライトが煌めきレーザー光線が飛び交い炎が上がって大変眩しく熱い環境だと思われがちだが、実は照明や特殊効果がより映えるためには「暗闇」の空間はなくてはならないものとなる。
昼間の野外ライブを想像していただければおわかりいただけるかと思うが、より効果的な照明には「暗闇空間」と「一定量以上のスモークによる光の線が可視化された状態」であることが絶対条件となる。
 
つまり、我々は原則として常に「とても暗い場所」にいるのだ。(ついでにケムい環境でもある(笑)
 
そして客席からステージを見る分には最適な明るさで見えるものも、ステージ側から客席側への視線となると、複数のライトやスポットによって視界を遮られることになる。
正面を見てから鍵盤を見ると、目に焼きついた残像で一瞬手元を見失ったりすることが多々あるほどだ。
 
今回の舞台は常に明るい光が真正面から投射され続けており、視界もまた常に眩しい
 
MC中やパーティーチューンの明るい曲以外の客席もまた、みなさんが想像している以上に暗いのだ。
また本番やリハーサルやサウンドチェックといった公の時間以外のステージというものは、非常に予測しにくい状況が続いている。
バラード曲の練習をしようとしんみりピアノを弾いている時に限って180度真逆の方向性でゴォゴォと炎が上がったり、さらに一回転したつまり540度反転した方向性の激しいストロボが点滅し続けた挙句、その後数分間は完全な真っ暗闇になったりする。それはそれで世界観はよしとしても何も見えないのでやはり練習にはならない(´_ゞ`)ちーん 
そういった時は精神衛生上しばらくステージには近づかないほうがよろしいようである(笑)
 
 

暗闇はステージ上以外にも無数に存在している。
ステージ袖などは四六時中暗いままだ。
当たり前の話ではあるがステージ袖を通らないとステージには行けないので、足元がほとんど見えない真っ暗闇の中を数メートル歩くことが日課となっている。
当然慣れていない人にとってはとても不安になる空間であるし、いつまで経ってもちっとも慣れない。
まさか落とし穴があるはずもないのだけれども、なにも見えない暗闇を歩くのは非常に怖いものだ。
100回以上通っているZEPP TOKYOでもこの有様なのだから、初めての会場の不安感は比べものにならない。
 
そして闇とは対照的な強い光もそこかしこにあり、まさに「光と闇」が同時に存在しつつのさらに「逆光」といった追い打ちをかけるような別種の視界の悪さも混在している。
ちなみにこれが僕のブースまでの導線
人間の目はもうちょっとちゃんと見えるけど、カメラで撮るとこんなモヤモヤした視界になってしまう。(オープニング時はこの光も消えるのでこの写真とはまた別次元に何も見えなくなる)
 
各種機材のケーブルや機材本体につまづくかもしれないし、実際ステージやステージ袖にはそういったものがゴロゴロしている。
僕は目の前の障害物にいちいちつまづく名人でもあるので、今後の地方公演は細心の注意を払わねばならない。
 
 

さて、満を持して今年の全国ツアーが始まったVAMPSであるわけなのだが、今回のメンバーインの時がいつにも増して暗闇が多い気がしている。
 
まだ見てない人にはネタバレとなるので詳細は書けないが、オープニング時のわずかな光源を頼りに自分のブースに向かって歩いていく十数歩は、富士急ハイランドにある「戦慄迷宮」を歩く次ぐらいに暗くて不安でドキドキだ(笑)
 
しかし自分の立ち位置にたどり着けさえすればかなり安心できる。
それこそ、そこから先は「勝手知ったる空間」となるので、かなりの漆黒になってもあまりビビらない。
しかしいつだったか、長いピアノソロを弾きだすタイミングで完全なる漆黒状態で鍵盤がまったく見えなかったことがあり、その時だけは「もっと光を!」とスタッフに泣きついた。
後から聞いたら「ピアノを弾きだしたらライトが徐々に明るくなっていく」という演出予定だったらしいのだが……うん、その演出ボクには無理!(きっぱり)
 
 
ただ単に「暗闇でよく見えないので今後もしコケたとしても笑わないでね」という免罪符的言い訳をしたかっただけなのだが、照明さんや映像さんと話をしていたらいろいろと面白い話が聞けたのでもうちょっと展開してみたい。
 
つづく!