月別アーカイブ: 2017年10月

ハロウィンの仮装〜2

「みんなでジンさんのことブス呼ばわりして失礼しちゃうわね!見てらっしゃいよ!」
業界屈指の一流ヘアメイクの荒木さんを本気にさせた前回からの続きである。
 
幕張2日目のバックステージ、その日のメイクの順番はやはり僕が一番最初であった。
例によってかなり長めの時間を割いてもらっているタイムテーブルだ。
メイク室に入るとズラリとスタッフが待ち構えている。
前述の荒木さん、スタイリングの貴公子こと高見さん、特殊メイクのエキスパート岩倉さん、それぞれのアシスタント数名で編成された総勢8名に包囲されてひるむ。
な、なんだこの緊張感は?
「よ、よろしくお願いします!」
思わず挨拶にも気合いが入る。
 
ここで荒木さんがスタッフ全員に前説のようなトークをする。
「ちょっとここのバンドのみなさん本当に口が悪くてジンさんの女装をことごとくブスブス言いまくるんですよ。ひどいでしょー?ブスだなんてねぇ?悔しいから今日は絶対美人にしたいんでみなさんご協力お願いしますね!それにしてもジンさんもお可哀想に、あれだけブスブス言われたら凹みません?私だったら立ち直れませんよー本当にヒドい人たちですよねーあんなにブスブス言うことないのにほんと失礼しちゃうわ」
そしてことあるごとに荒木さんはいかに僕がブス呼ばわれされているのかを来る人来る人に説明するのであった。
 
少なくとも「ブス」というワードを一番連呼しているのは荒木さんその人であることを、僕はずっと突っ込めないでいたんだ……(♪BGM「北の国から」のハーモニカーバージョン、るーるーるるるるるーるー♪)
 

ここで『大逆転のミラクルで見事に美人のできあがり〜!』となれば実にスカッと爽やかなブログになることであろうし、結論を急がなければならない昨今の風潮的にもさっさと結果だけ示せばよさそうな気もするのだが、あいにく徹底したリアリズムを信条とするこのブログは、そういった「まとめ」や「省略」は一切しない。
 
なお、今回のブログは「自撮り」が連発される。
自分の素顔を晒すのは社会的にヒヤヒヤする面もあり、また単純に恥ずかしいこともありで普段は基本的にはしないのだが、幸い今回の自撮りのほとんどはメイク中もしくはメイク後の写真なのでそこまで全力で恥ずかしくはないようだ(笑)
しかし最低限一枚、メイク前の素顔を晒さねばならないだろう。
どうせならなるべくキメ顔の一枚を探して選んでみたものの……
 
 
現実は厳しい。
 
「地味なメガネっ子がメガネを外したら実は超可愛かった!」的な簡単な奇跡は、50歳のしおれたオッチャンを美人に仕立てるというプロジェクトでは絶対に起こらない
 
それを成立させるには、プロのテクニック(ズル)、ダメだったら次の策といった切り替えの早さ(割り切り)に加え、舞台演出効果(ペテン)、数時間だけ保てればよいというその場限りのゴマカシ(サギ)といった非現実的なウソを平気でまかり通すまでを徹底して、初めてミラクルが起こるのだろう。
 
今日の被験者(僕のことだ)は相当難易度が高い。
チームが一丸となって取り組まねば決して成功にはたどり着けないだろう。
 
 
……本心を言えば僕だって「ジンちゃんキレイ〜」と言われるような都合のよい写真だけを選んだブログにしたい。
妬まれたい嫉まれたい憎まれたい。
 
しかし自分のポリシーを曲げることはできない。
自虐的なまでに痛々しいメイキングを敢えて公開することで、スタッフの技術や意地、そしてどこか楽しみながら真剣に仕事をしているプロの姿勢を改めて知っていただきたいのだ。
そのためになら喜んでなんでも晒しましょう!(案外嫌いじゃない)
 
以下、閲覧注意!(笑)
 

 
STEP1:14時03分 まずは神戸で試みた「強制二重まぶた」を作る。あ、数年ぶりにあごヒゲを剃りました。
メイク班による試行錯誤の末、100円ショップで売られているチャチな中国製が一番乱暴に二重ができることが判明したらしい。
尚、一般用途で使うには分かり易すぎるため推奨はできないらしい。
 
STEP2:14時07分 ファンデーション及びかつら装着用に髪の毛をまとめる。
ざっくりクッキリと乱暴な二重が出現している。
 
STEP3:14時09分 美女に存在してはならない「たるみ」を引っ張って固定する。
ここで特殊メイク班投入!ホウレイ線を消しシワを伸ばし固定化させるために特殊な接着剤とテープ処理を施す。この辺りから早速現実離れをしていく。
 
STEP4:14時13分 「たるみ」の処理その2。タレ目を吊り、眉毛の角度まで変える。
クールな表情で黙々と仕事に徹する岩倉氏。テープはかつらに隠れるので無問題だが、この時点で僕の人相からは離れていく(笑)
 
STEP5:14時37分 カラーコンタクトでいきなり黒目が大きくなり色も変わる。
つけまつげ、アイライン等のメイクで目の大きさが2倍になる。おそるべし!キモいけど。
 
STEP6:14時53分 眉毛を作り込み全般的なメイクの微調整。
ここで一気に大御所の占い師か風水師のような怪しすぎる風貌に。荒木さんの表情はまだ険しい。だが迷走しているわけではなく確固たる自信で美女に向かっている……んですよね?キモさMAXがこの時点だろう(笑)
 
STEP7:15時07分 1時間が経過、かつらを装着し微調整を重ねるも性転換にたどり着けない!
あーこういうミュージシャンいるよね〜…
…様々な処理を施すもこの方向性での女性化は無理と判断。DAIGO氏もツイートしていたが、やはり男の骨格を女にすることはできない。いさぎよく方向性を転換し「ざわちん方式」にシフトすることに決定。ってかイタい。
 
STEP8:15時13分 マスクをつけて鼻から下を隠す。
!!!
ここで一気に中性っぽくなった!凄い!……ってか誰だオマエ?(笑) キモくない!キモくないぞ!
 
STEP9:18時39分 パット入りのブラジャーをし、衣装に着替える。馬子にも衣装というか、ここで中性ゾーンから女性エリアに突入できたと思われる。
帽子もかぶり髪の毛(かつら)を整える。ほぼ完成だが表情が男っぽいというか…なぜ眉間にしわを寄せているのだ自分?(笑)
 
STEP10:18時54分 完成。映画「タイタニック」で有名なコルセットをギューギュー締めつけるシーンのアレと同じことをやられ腰の「くびれ」を捏造する。……苦しい!ここからイベント終了までの3時間を耐えるのだ!
 
カメラマンのたなかずさんにそそのかされ「わたしキレイ?」的な表情で微笑む自分。ここまでくると「照れ」はなくなりむしろノリノリとなる。
 
女性スタッフ陣が「奇跡の一枚!」と評した写真がこちら。
「いやーこんなショット二度と撮れませんよ!奇跡ですよ!まさに奇跡!」と荒木さん。
褒めてくれているのだろうけどやや微妙な気分だ(笑)
 

 
以上が僕の女装過程である。
これで画面を上方向にスクロールして一枚目に戻っていくと、実に感慨深いものがある(笑)
 
ライブ中ハイド氏が「今日がピークだと思います」と言われていたが、実際終演後にあちこちでチヤホヤされる、されちゃうこと!
「一緒に写真撮ってください!」と熱望され「キレイ」とか「カワイイ」を連呼される。
確かにこんなにチヤホヤされたことは未だかつてなかったし、今日のような奇跡はもう起きないだろう。
確かに今日はある意味でのピークなんだろうなぁ……
せめてこの多幸感を一分でも長く味わおうっと!
 
・・・・・・・・
 
そしてメイクルームに戻り、シンデレラの12時の鐘の音のように魔法が解けていく。
元の自分に戻っていきながら今日の数時間を反芻する。
 
楽しかったな、幕張2日目。
 
改めてヘアメイクの荒木さん、スタイリストの高見さん、特殊メイクの岩倉さん、アシスタントのみなさんに最大限の感謝をしたい。
こんな特別な思い出を残してくれてありがとうございました!
 
 
 
 
……そしてさっきから部屋の隅にチラついている明日の衣装というか、装着キットをなるべく見ないようにしながら過ごした1日だったが、そろそろ現実を受けいれなければなるまい。
明日は妖怪デー、僕は「ろくろ首」をやるのだ。
 
それにしても……
 
この叩き落されるような落差はなんなのだろうか?
 
 
全てをすっ飛ばして幕張3日目の集合写真。
(当然のことだが)中央の真性美女に全て持って行かれる。
 
こうして2017ハロウィンパーティーは無事終幕したのであった。 
 
※尚、エリザベスメイクの途中過程を固定カメラでも記録してもらったので、動画が送られてきた時点でブログに追記貼り付けします♪