ハロウィンの仮装〜1

ここ10年ですっかり日本にも定着したハロウィンという文化。
しかしお祭り好きであり宗教観ガン無視の国日本ならではなのだろうか、既にかなりオリジナルからかけ離れた独自の文化になりつつあるようだ。
2005年の「Halloween Of The Living Dead」の頃は、まだまだ一部でのみ開催されるイベントといったものだったが、今では9月になったと同時に街の中にオレンジ色のカボチャが出現し始める。
地域の商工会や地元商店街に至るまでハロウィンには積極的で、今年はついに「ハロウィン宝くじ」まで出てきた。
 
ハロウィン関連の音楽イベントもここ数年で急激に増えている。
しかし国内ハロウィン音楽イベントの元祖と言い切ってよろしいかと思われる我らのハロウィンパーティー。
そこは一日の長というか、主催側にせよ参加するお客さんにせよ、その本気具合は他のイベントとは一線を画す。
東急ハンズのパーティーグッズコーナーでは収まらない本気の仮装をしているお客さんがとにかく多いこと多いこと!
もはや猫耳カチューシャとマントといった簡易的な仮装では浮いて見えてしまうほどだ(笑)
 
 
僕個人の仮装は数年前にライフマスクのカタを取ってから、仮装の域を遥かに超えた超本気のメイクとなっている。
イモータン・ジョーやダースシディアスといった映画のキャラクターのメイクはもはやハリウッドレベルにまで達した。
メイクのハードルは上がり続け、インフレ化による飽和感すら感じていたここ数年だったように思う。
(ただのお面をかぶるだけではないのだ)
 
そして今年は予想の斜め上を行くまさかの女装案が提案される。
しかも、毎年ファンの間で年に一度の楽しみとなっている「ハイド様の女装」と間違わせる仕掛け演出として。
50歳のしおれたオジサンを、映画のヒロインに扮するハイド様に錯覚させる!
 
そんな無謀な計画が提案されたのはアメリカツアー中の9月26日のこと。
今年のテーマは映画「パイレーツオブカリビアン」。
ジョニー・デップ扮するジャック・スパロウ船長はハロウィン仮装の定番ともなっているが、メンバー全員でこの映画のキャラクターを演じるのは初となる。
その中での美女となると、ここはやはりエリザベス(キーラ・ナイトレイ)となるのであろう。
ハイド氏ならば朝飯前だろうが、僕がこの美人さんに変身するとなると……言うまでもなくハードルは相当高い。
早速ロサンゼルスからヘアメイクの荒木さんに打診をしてみる。
 
J「荒木さん、ハロウィンメイクで質問です。僕をパイレーツオブカリビアンのエリザベスに変身させることは可能ですか?」
 
A「キーラ・ナイトレイですね?全力で挑ませていただきますっ!!ところで目を整形しておいてもらうことは可能ですか?」
A「冗談です。アイプチをしこたま投入するなどで対処できるかと思われます」
 
J「ハイド氏が『荒木さんならできる!』と申しておりました!そして『後ろ姿でハイド様の女装かと思ったのに正面向いたらジンちゃんかよ!』といったオチ的な感じのブスメイクではなく、本気のキレイを求めているようです。よろしくお願いします」
 
A「やはり……高須クリニックへ行っていただいていいですか?」
 
J(既読スルー)
 
といった建設的な打ち合わせも完了し、計画はスタートしたのであった。
 
 
10月21日(神戸ワールド記念ホール)
 
この日のアリーナ公演のメイク時に「エリザベスメイクの予行」が実施される。
タイムテーブルには「JIN整形&ヘア」と書かれていた(笑)
所要時間も読めないのでアサイチの、かなりフライング気味な早い時間にセッティングがされる。
 
アイプチを始めとする様々なメイク品が用意され、まずは兎にも角にも「強制二重まぶた」から始まる。
ここを乗り切るだけでかなりの前進が期待できるのだ。
ところが僕のまぶたは非常に重いらしく、一応「奥二重」ではあるらしいのだが、とてつもなく深いらしい(笑)
かなり大胆な位置に二重パーツを作り大きめのまぶたを作る。
つけまつげ、メイク、眉毛描き等を試行錯誤して暫定完成したのがこちら。
 
後ろに写っている人たちの失礼千万な笑顔が計画の脆弱さを物語っていた。
ハイド氏も「二重にすれば美人になるってもんじゃないね」とシビアというか、当たり前体操的な意見をぶつけてくる。
清春氏の「おじさんが女装をするとおばさんになります」という名言の深みを思い知ったのはこの1週間後のハロウィンパーティー初日のことだが、それ以前に「二重にはなったものの性転換には程遠い印象」だ。
 
メンバーのコメントもかなり辛辣で「場末のオカマバーのママ」「勘違いしたオカマのブス」「なんかムカつく」「とりあえずブス」と容赦のないバッシングを浴びせてくる。
みなさんよほど僕を打たれ強い鋼鉄のハートの持ち主と思っているようだが、そんなことは決してない。今夜も枕を濡らすことになりそうだ。
そんな楽屋風景を見て荒木さんは「みんなでジンさんのことブス呼ばわりして失礼しちゃうわね!見てらっしゃいよ!」とメラメラと闘志を滾らせる。
 
おぉ!メイクの神様に火がついた!(・∀・)
 
神戸から幕張の期間内にさらなるメイクの探求がされ、衣装や後述する特殊メイク班のスタンバイも水面下でセッティングされていく。
本気のハロウィン仮装チームは、日本でも有数の一流スタッフで構成されているだけでも凄いことなのに、みなさん手を抜くこと一切なく全力で取り組んでくれているのだ。
こうして迎えた今年のハロウィンパーティー。
そして問題の女装は2日目に行われることに。 
 
さぁどうなる幕張2日目!?
 
つづく!