原点回帰

スターウォーズの話題が出たところで、再び自分視点の変な原点回帰をしてみたい。
僕がスターウォーズを初めて見たのは小学5年生の時、埼玉県幸手町(現幸手市)にあった幸手劇場でのことだ。
その時に観たエピソード4の話をしたいのではない。同時上映されたもう一つの映画についてだ。

若い世代にはピンとこないかもしれないが、大昔の地方の映画館では「2本立て、3本立て」という映画の上映が半ば当たり前の風習となっていた。
今のように封切りと同時に全国一斉ロードショーというわけにはいかなかったのだ。
配給されるフィルム数には限りがあり、地方劇場に中古のフィルムが回ってくるのに早くても3ヶ月、遅ければ半年以上待たされていたのだ。……ピンとこないかもしれないけれども(笑)
その代わりと言ってはナンだけれども、地方劇場に特典がないわけでもなかった。それが「2本立て、3本立て」といった同時上映だ。

僕の小中高の映画遍歴に多大なる影響を与えてくれた「春日部文化劇場」は実にナイスな同時上映のチョイスに長けていた映画館で、「シャイニング」と「殺しのドレス」といった正統派ホラー映画チョイス、あるいは「クラッシャージョウ」というアニメ映画になぜかシルベスタ・スタローン「ランボー」を持ってくるなどの「おいおい君たちアニメだけが面白い映画ってわけじゃないんだぜ?」的な映画教育をしてくれるような映画館でもあった。

はたまた「バーニング」「アメリカンバイオレンス」といった過激なホラー映画を2本乗り越えたご褒美として「甘い体験」という、今思えば完全に18禁ポルノとしか思えないエッチな映画が同時上映されたりして、中学生男子を大いに悩ませ劣情を催された思い出もある(*´艸`) 。


ところでこのブログを度々読んでくれているみなさんならば僕がホラー映画好きであることに薄々感づかれているかもしれないが、そんな僕にも「初体験」は当然あった。
僕のホラー映画デビューは、まさしくこの「スターウォーズ エピソード4」の同時上映で半ば強制的に見る羽目になった、ダリオ・アルジェント監督の「サスペリア2」だったのである!(どどーん)

なかなかぶっ飛んだセンスをした同時上映だと思う。なぜ「スターウォーズ」と「サスペリア2」?

サスペリアといえば「決して一人では見ないでください」というキャッチコピーが話題を呼び、もしも劇場鑑賞中にショック死をしたら保険金1000万円が降りるといった「絶叫保険」がさらなる話題を呼んだ映画である。
アメリカでは実際3人がショック死をしたらしい……というまことしやかなウワサが広まった映画である。(多分というか間違いなく誰も死んでないとは思うが(笑)

その続編とされる「サスペリア2」のキャッチコピーはこうであった。
「約束です!決して一人では見ないでください」
このコピーを考えた人はよほどの天才なのかひどく手抜き人間なのか判断に迷うところである。
「またハートに火をつけろ!」的な?(笑)

しかしそんな恐ろしい映画がなぜ同時上映!?ボクは単純にスターウォーズという話題作を見たかっただけなのに!
怖いことが大嫌いなサイトー少年は心底この同時上映を憎んだ。呪った。できれば見ずに帰りたい。
しかし昭和50年代の小学生がなけなしの小遣いで映画館にみんなで来ているのである。自分一人棄権するのはあまりにも空気を読まなすぎというか……女子も数名混じった中でとても許される雰囲気ではなかった。

そして「スターウォーズ」上映後に数分の休憩を経て「サスペリア2」の上映が無情にもはじまる……
僕のホラー映画デビュー作品だ!

結果は……惨敗!

あまりにも恐ろしすぎて上映時間のほとんどを指の隙間から見ていたように思う。
しかも勇気を奮って正視した瞬間に限ってことごとくショックシーンを見てしまうような?
断片的に見た恐ろしい映像の数々はその後数ヶ月にわたって僕を苦しめた。
・夜寝るときは部屋の明かりをつけた状態でないと寝られなくなった
・家族が寝静まった後にはもはやトイレにも行けなくなった
・エレベータードアの半径50cmに立てなくなった(映画内の凄惨な演出的に)
・元々苦手だった西洋人形が心の底から嫌いになった(不気味な人形がキーアイテムとして用いられている)


といった我が生涯トラウマ級の「サスペリア2」を小学5年生の時以来、この正月実に40年ぶりに鑑賞することになった。Huluにあったのだ。
本当はスターウォーズをエピソード1から順番に見る予定だったのに……僕のファーストスターウォーズの同時上映作品を同時に見つけてしまい、なぜかそっちの方をどうしても見たくなってしまったんである。

結果は…うんさすがに小学5年生の頃と比べればホラー映画に対して十分すぎる耐性がついているので最後まで正視できたものの…
やはり小学5年生でこれは……無理もあるまいと思うような作品ではあったかなぁ?
「ビー玉と毛糸と首吊り人形」といった犯人の狂気を表現するイメージシーンの恐怖感が、40年の時を隔てて蘇ってきたのはむしろ感動的ですらあった。

そうそう!このシーンがあまりに怖くて泣きたくなったんだよぉぉぉぉ!

自分の中ではそういった本筋とは関係のない抽象的なシーンがふんだんに使われていたイメージがあったのだが、実際に見てみると1回のみ。あれれ?

……やはり、恐怖のイメージというものは増幅をする!
これは些細な出来事から起承転結の構成をした怪談が生まれる原理と同じだろう。

幼かった自分の恐怖心を懐かしく思い出しながらも、「ここからホラー映画を克服すべく立ち向かっていくのは3年後、中学2年生以降だったなぁ…」といった遠い日の記憶がさらに蘇ってきた。

昔観た映画の再鑑賞はそんな心情的特典もあって楽しい。


尚、この「サスペリア2」だが「サスペリア」とは全く関係のない映画であることにも触れておかねばなるまい。
それどころか「サスペリア」よりも前に作られた作品であり、魔女の支配する名門バレエ学校で女子生徒を生贄にするという内容のオカルト映画である「サスペリア」に対し、「サスペリア2」は大昔の事件を隠すために何者かによって連鎖殺人が引き起こされるというサイコスリラー系のお話だ。
原題も「DEEP RED」というタイトルで、本当に全く関係性がない。

今では考えられないような話のように思えるが、勝手に続編に仕立て上げたり、トンデモな邦題をつけられたりといったことが、ホラー業界では今でも当たり前のように繰り返されている(笑)。

 

スターウォーズ、ウォーキングデッド、見たい続きモノ目白押しのHuluではあるが、限られた時間の中で少しずつ見ていきたい。
「サスペリア2」など見ている場合ではなかったのだが、つい本能のままに見てしまった(笑)。

……スターウォーズエピソード1〜6の限定期間は1月19日まで!急げ!