ピラミッドと月

僕は2011年の1月にエジプトを訪れている。
小学生の頃からの夢を果たすタイミングが遂にやってきたのだ。
古代遺跡をめぐる1週間の行程はまさに「弾丸ツアー」と呼ぶにふさわしい過密スケジュールで、朝の3時半に起床して昼めがけて砂漠を数百キロ爆走とか、12時間かけて寝台特急で移動とか、広い国土を移動している時間がとにかく長かった。
 
この時大小様々のピラミッドを見て「ピラミッドは間違いなく人間が造ったものだ。なぜならば失敗作が無数に残っているから」と思った。
階段式ピラミッドや屈折型ピラミッドなどは、まさに試行錯誤をした人間の苦悩がそのまま形として残っている。
作りかけのまま放置されたピラミッド、こじんまりとしたピラミッドなども無数に見かけた。
 
しかし最近は定説とされているピラミッドの時系列に疑問を感じ始めている。
 
現在の僕の考え方はこうだ。
「ギザの大ピラミッドは既に最初からそこに存在しており、人類はそれを見よう見まねで小さなものを作ってみたのではないだろうか?無数の失敗を重ねて初めて完成して残ったものこそエジプト最古のピラミッドと言われているサッカラの階段式ピラミッドだったのではないだろうか?」
 
そしてこの階段式ピラミッドは現在崩壊の危機に瀕している。
(5000年を想定した建築技術とはいかなる心構えで作られるものなのだろうか?)
 
 
ここでまず僕の思っている結論を一つ言い切ってみる。
既にほぼ言ってるようなものではあるのだが……
 
ギザの大ピラミッドは人類が作ったものではないのではないだろうか?
 
しかし地球外の知的生命体が訪れて作ったとも思っていない。
 
地球には人類の前に先住民である別の超古代文明が栄えていたのではないだろうか?
 
そして滅びることを自覚した彼らは、数万年〜数十万年後に出現するであろう新しい知的生命体、つまり我々人類に向けて段階的なメッセージを残してくれたのではないだろうか?
共通点の多い巨石で作られた遺跡が世界中に点在しつつも直線上に整列していたり、等距離に配置されていたりすることも、なんらかのメッセージに思えてくる。
 
さぞかし飛躍した発想と思われただろうが、この考え方は我々人類が100年後に確実に滅びるとわかったと想像してみるとわかりやすい。
コンピューターの類での保存はまずダメだ。故障したら元も子もないし電源が失われたら全てが消えてしまうし文明が滅びたら電源はなくなる。紙や金属なども数万年を想定した保存は無理だろう。
ほぼ全てのものは「膨大な時間」によって風化し無に帰してしまう。
 
現代文明が明日前触れなく滅びたとして、数万年後の地球上に残っているものがあるとすればそれは……
ピラミッドのような巨石建造物だけかもしれない。
全長73メートル、全高20メートルのスフィンクスであっても、発見時は完全に砂に埋没していたそうだ。
 
(1860年代のスフィンクス。放置しておくと砂に潜ってしまう子らしい(笑))
 
 
テオティワカンの太陽のピラミッドも発見当時はほぼ埋もれていて山のようにしか見えなかった。
 
 
 (2016年11月に訪れることができた)
 
今の地球にはまだまだ知られざる遺跡が埋もれているかもしれないということになるだろう。
人類が数万年後の新人類にメッセージを残すなら、やたら目立つ巨大な石造りの建造物、つまりは限りなくピラミッドのようなものを造ることになるのではないだろうか?
 
ピラミッドに秘められたメッセージは段階的に解読されていくというより、文明の進化と共に新たな事実がわかっていくようにした方がよいような気がする。
危険すぎるメッセージがわかりやすく表示されていたら、野蛮な時の支配者によって壊されてしまうかもしれない。理性が社会に浸透するまでの間は風景にとけこむことが大切だ。
 
“不思議な存在”ではあるけれども「祖先である古代人が残したもの」として保存されればしめたものだ。
文明が進歩していろいろなことがわかってきて初めて「おや?これって本当に古代人が作ったものなの?現代人でもとても無理そうな設計なんだけども……」という疑問が沸き起こる。
※ピラミッドの設計は最新の建築技術でも神業としか思えない奇跡の数々だということが今になってわかってきている。我々人類は数世紀にわたってその事実を見落としてきたことになるのだ。
 
さらに宇宙の共通言語である「数学」。
映画「コンタクト」では地球外生命体が人類に向けて発信した信号が「素数」であったわけだが、ピラミッドの外寸や内部の室内や配置された位置などにも様々な計算式が隠されていた(円周率3.14とか黄金比1:1.6とか299,792、限りなく高速と同値といった意味のある数字がたまたま偶然の一致でことごとく並ぶとは思えない)。
 
いかに人類の天文学が紀元前以前から進んでいたものであっても、光の速度の算出までされていたとは到底思えない。
ピラミッドの意味深な寸法の数々は我々に一つずつヒントを提示しているような意思を感じてしまう。
 
(3つのピラミッド位置はオリオン座の配置と一致している。またスフィンクスとの位置関係にも様々な数式が隠されている)
 

前回紹介した「ピラミッド5000年の嘘」の最後にはゾクッと震えるような仮説が唱えられている。
地球上にある誰もが知っているあるモニュメント(ピラミッドではない)こそが宇宙時計そのものであり、72年周期、2万6千年周期の天体の動きをその目でジッと見続けていると結んでいるのだ。
さらにはピラミッドの全ての謎が解明された時、近い未来への「警告」のようなものが理解できるようになるのではないかとも暗示している。
 
アリストテレスは「地球上の文明は周期的に消滅する」と語っており、マヤ文明には「現代は5番目の時」といった記述がある。
磁極が半転するとき、古文書には「灼熱の地獄」が訪れると書かれているという。抗えない天変地異が地球に周期的にやってきているのかもしれない。
 
 
なぜ超古代文明は現代文明より優れていたのにもかかわらず滅びてしまったのか?
彼らが克服できなかった問題点を人類に伝えたかったのかもしれない。
メッセージの全貌が明らかになるのはいつの日になるのだろうか。
 
映画の後半はこういったかなり飛躍した仮説が連続するのだが、説得力は十分に感じられる。
何度も何度も繰り返し見ているドキュメントだが、鑑賞のたびに新たな発見がある。
 
ピラミッドにはまだまだ多くの謎が隠されている。
さらに段階的に秘密が解明されていくことを期待したい。
 
 

そして話題は再び「月」に戻る。
前回までアカデミックに積み重ねてきたシリーズではあったのだが、今回はかなり空想の領域に踏み込んでしまった。
 
そのついでに僕の月への妄想を最後に伝えておく。
 
月もまたピラミッドと同じく、超古代文明の遺跡、人造物なのではないだろうか? 
 
段階的に「不思議すぎる偶然」が文明の進歩と共にわかってきているという点が、あまりにもピラミッドの謎と類似しているように思えるからだ。
 
 
皆既月食、皆既日食といった奇跡の天体ショーは、まるでチチェン・イッツァーやアブシンベル神殿やクフ王のピラミッドに見られる年に二回起こる奇跡に通ずる何かを感じてしまう。
まさしく人造物だからこそ起こる「綿密に計画された演出」なのではないだろうか?
 
ある日、月がトランスフォームをしてロボットとなり地球を守る、といったバカっぽい妄想をしたいわけではない。
だけども、地球の未来に起こるなにかを伝えるメッセンジャーとして静かに役目を果たし続けている……
 
なんて妄想をしながら月を眺めていると……どうにもドキドキが止まらなくなってきてしまうのだ。
月にはやっぱり我々には想像もつかないようなとてつもない秘密があるにちがいない。
 
先日の皆既月食は、そんなわけで2時間ほぼずっと月を見つめ続けてしまった。
「唐突に変形しないかな?」と3回ぐらい思ってしまったことも正直に白状しておく(笑)
 
 
あるいはこういった妄想を全てやめて「神の存在を認める」という選択肢もあるのだが、もうしばらくは「ムー系」の想像を巡らせていたい。