上海 北京 公演終了!

上海と北京でのコンサート3本が無事終了した。
昨年末の幕張での「極上音楽空間」を見させてもらった時の感動を再び、しかも今度は至近距離で準備段階から関われたのだから僕は幸せものである。
しかし当然そこには素晴らしいステージの一部を背負う「責任」がのしかかってくるわけで、手放しで感動しているわけにはいかないポジションにもなるわけだ。
(写真中央ピアノの調律をしている調律師は「東洋の奇跡」と呼ばれている方で、それはもうピアノの全てを熟知している神様のような方だった。この人の手にかかるとピアノの音色がまるで変わってしまう奇跡を目の当たりにした)
 
 
リハーサルは無我夢中、本番初日はまさに濁流の中のボートを操るような緊張感(大げさ)、二日目になってやや周囲を見渡せるようになり、そして三日目の北京公演ではだいぶ精神的にゆとりが持てるようになってきた。
サウンドチェックやリハーサル時には客席から全体の音を聞いたり、本番中も本人の挙動を観察したり、メンバーの演奏を細かく聞いたりといった、トータル面で見渡せるようになってきた。
客観的視点の中から主観的にピンポイントの音を愉しむような行為にワクワクしながら♪
(トータルサウンドを作っているPAチーフのタカマさんに質問を投げかければ即答が返ってくるという完全越権行為な贅沢すぎるサウンドチェック♪←悪びれていない)
 
そして黑ミサメンバーのキャラクターがVAMPSとは対象的に違うのが興味深い。
ドラムの城戸氏とベースの砂山氏は非常に安定したビート感を保ちつつも絶妙なグルーヴを仕掛けてくるミュージシャンだ。
お二人とも幼少の頃からピアノを習っていた絶対音感の持ち主、ストリングスセクションの通称「お姉さま方」やピアノの堀向氏はもちろんのこと、みなさん非常に音楽スキルの高い集団ということになる。
YUKI君にしてもロックミュージシャンとは思えない抜群の譜面力を持ったギタリストだ。(ちなみに僕とYUKI君は実は案外古い付き合いで、リュシフェルのレコーディングにマニピュレーターとして参加していたのは1999年なので約20年前となるのか!)
 
さらにスタッフのキャラまでもがVAMPSスタッフとはまるで違うのが興味深いを超えてもはや面白い。
この10年間僕はほぼVAMPS現場だけにいたのだけども、ごくたまに別の現場に参加した時に感じた違和感のようなものを、今回ようやくハッキリと認識した。
違和感の正体は「いつもと違う」。
そのまんまなのだが、その「いつも」の方が世間からすればよっぽど「違う」という違和感、をお分かりいただけるだろうか?(笑)
 
「なんでこの現場はこんなに静かに事が運ぶのだろう?」
「なんでこの現場は集合5分前に全員が揃っているのだろう?」
「なんで舞台監督はニコニコと柔和なイメージなのだろう?」
「なんでPAチーフはべらんめぇ口調じゃないのだろう?」
「なんで楽器テックはグイグイとキャラを前面に出してこないのだろう?」
「なんで飲み会の席がこんなにオトナの飲み方なのだろう?」
「なんで誰も泥酔しないのだろう?」
 
いくつもの「なんで」が連鎖的に積もっていくのだが、ここへ来てハッキリとわかった。
 
・現場とは通常よほどの問題がない限りは極めて合理的に事が運ぶ。
・24時間常に戦闘態勢の舞台監督はあまりいない。
・PAチーフが全員「鬼軍曹」であるわけがない。
・テクニカルスタッフは影のような身のこなしがむしろ普通だ。
・別に自分の限界を追い求めるまで飲む必要はない。
・しかし僕はしっかり酔いあげている←おい!
 
そうか!今までの環境がむしろ特殊だったのか!メンバーもスタッフも!
という当たり前体操的なことに気がついてしまった自分なのであった。
 
VAMPS現場では「強い個性がないと生き残れない」という暗黙の了解があったとも今回聞いた。
「それにしてもよりによって濃いキャラの集合体でしたよねぇ…」と各キャラを熟知するスタッフにしみじみと言われ、改めて変な人たちの集団だったんだなぁと実感したのであった。
 
うん…良くも悪くも(笑)
 
今回のクルーが無個性ということではない。
 
ちゃんとしてます!
 
いやいや、VAMPSクルーがちゃんとしてないということではなくて…(笑)
 
 
リハ初日から最終日まで3週間弱という短いお付き合いのチームではあるけれども、楽しい毎日を過ごしている。 
「小学生の頃からずっとラルクのファンでした!」といった若手スタッフもおり、カリスマ的存在の現場で働いているという光栄、充実感と喜びと緊張の空気感がベテランスタッフにも伝わってくるようで、とてもよい刺激を受けている日々でもある。