カレー事件

我々が香港の空港に到着したのは5月8日の13時過ぎのこと。
入国審査後に一旦ロビーを出たところに集合をする。
「ではバスが到着するまでやや時間がありますので40分後に再集合してください」とコーディネーターさんに言われたのが14時ジャスト。
僕はツイッターにも書いたとおり、元と円を香港ドルに換金して「香港、マレーシア、台湾で使える万能SIMカード」を購入して設定をしていた時間、その裏ではステージミュージシャンの男性陣は空腹を満たそうと空港をウロウロしていたそうだ(堀向氏、城戸氏、砂山氏の3人)
目に入ったのがカツカレーの看板。日本を離れて一週間、そろそろ和食というよりはそういった「当たり前のB級グルメ」に惹かれるゾーンだろう。
実際全員がその写真に釘付けとなり、フラフラと吸い寄せられるかのようにその店に入ったという。
 
満場一致でカツカレーを注文したのが14時5分。集合まで35分あれば十分間に合うであろうという算段であったらしいのだが、20分待てどカツカレーは来ない。30分が経過した残り5分、いい加減間に合わないのでもう店を出ようと席を立った瞬間をはかったかのようなタイミングでカツカレーがやってきたそうだ。
 
 
「え?いや、もう間に合わないんで…」と一旦は振り切ろうとしたそうなのだが、あまりに美味しそうなカツカレーの見た目に全員が釘付けとなり、その言葉が引っ込んでしまったらしい。
「よ、よし、一口だけ食べて行こう」とパクついたところ…激ウマ!ヤバイ!ヤバ過ぎる!なんだこのカツカレーは!?となり…一口だけでは済まされなくなってしまったそうだ(笑)。
 
集合時間に遅れてしまうことは百も承知とは言え、やめられない止まらない。
人間やめますか?レベルの悪魔的美味であったらしい。
 
とはいえ理性的な社会人である彼らは半分食べられずあたりのタイミングでキッチリと人間に戻り猛ダッシュで集合場所に戻ったそうである。
 
「ああ…あんなにも素晴らしいカツカレーを完食できなかったことが今のところこのツアー最大の悔いなんです…」
クールなバンマスの堀向氏とは到底思えないようなセリフである。
「食い物の恨みは恐ろしいね」とみんなで笑ったのが「香港国際空港カレー事件」の全貌である。
 
ーーー楽屋で聞いた話なので詳細は正確ではないかもだけども、結果として車の到着が遅れたのでそこまで急いで戻らなくてもよかったというオチがつく(笑)ーーー
 

 
そしてその二日後にあたる今日、再び我々は香港国際空港に戻ってきた。
 
そんな話を聞かされていたら是が非でも食べたくなるのが人情である。
後ろ髪を惹かれまくった3人に加えて僕とYUKI君の5人でリベンジを果たすことになった。
幸い搭乗時間まで2時間近くある。さすがに今日はどれだけ待たされようとも大丈夫であろう。
 
しかし念には念を入れ発券手続きの早く終わった堀向氏がすぐにカレー屋に向かい、綿密なLINEのやりとりで速やかに全員のオーダーを先行して注文しておいてもらう(ま、全員カツカレーだったけど(笑)。
鉄壁のチームワークだ。
そして時間差で全員がカレー店にバラバラに集い、最後の一人が着席したタイミングでカツカレー5皿がやってくる。
はや!前回の30分待たされはなんだったのだろうか?
それにしても…なんと見事なカツであろうか!
日本のカツカレーでここまで気合の入ったカツというのはなかなかお目にかかれない気もする。(ルゥが少なめだったのがやや残念)
 
いただきまーす。
 
パクリ、、、
 
美味い!美味すぎる!
 
(これだけ見事なトンカツは日本国内でも珍しい)
 
なんというか、当たり前の味だ!
 
昨日楽屋のケータリングで食べた本格インドカリーとは違う、いわゆる「ジャパニーズカレー系」なのだが、やはり異国で食べるこういった「当たり前の味」は本当に貴重な味覚だと思える。
 
想像してみてほしい。
もしも1年間和食のない異国で来る日も来る日もパンとジャガイモと美味しくない現地料理だけを食べ続けた日々を過ごして「好きなもの食べていいよ」と言われた時に選ぶ一食を。
 
もちろん個人差はあるかとは思うが、大抵の人なら「いつも食べていた当たり前のもの」を欲するように思うのだ。
普段めったに食べられない高級割烹とかではないと思う。
ちなみに僕は海外出張から帰ってきての最初の一食は「卵かけご飯と大根と油揚げの味噌汁とアジの開きと焼き海苔」といった極普通のご飯が一番幸せだと思っている。
 
まさにこのカツカレーはそういった意味では特別美味しいといったわけではなくどこにもでもある「当たり前の味」だったのだが、完全にノックアウトされてしまった。
「いかん、ニヤついてしまう」となるし、全員何も言わずに黙々と食べている。
僕に関してはここ10年間ひたすらガマンし続けていたカツカレーであったのでまさに悪魔的な美味しさであった。(カツカレーのカロリーを調べてはいけない)
 
 
…思えばこの一週間はひたすら中華料理を食べ続けていたなぁ…
 
アメリカやヨーロッパではオアシスのようにありがたい中華ではあったのだが(ステーキとハンバーガーとサブウェイのサンドイッチが繰り返される日々の中の中華はやはり嬉しいのだ)、それすらも毎日続けば飽きてくる。
我々日本人が毎日食べていて唯一飽きないもの、それが「当たり前の食事」なのであろう。
 
当たり前が当たり前でなくなった時、人は初めて日々のありがたみを知り、そして当たり前を欲するのだ。
 
尚このカツカレーの値段だが、生涯最高額になるであろう日本円に換算して約2600円(アイスコーヒー付)であったが、悔いはない!
 

といった日記を香港からクアラルンプールに向かう飛行機の中でタイプしている。
 
マレーシア、そしてマレーシアの料理…僕にとっては未知の世界だが、今日の夕食が中華でないことを祈るばかりだ(笑)
 
※翌日はマレーシア料理を堪能、名物のチキンカレーとシーフードカレーがとにかく絶品!カレーが連続しているけれども全然問題なし!カレー魔力恐るべし!
 
※※といった日記を書き上げておきながら更新できていなかった。最終地台湾に来てしまっているではないか!