先輩後輩

第一回目のDTMクリニックを終えてやや脱力していた。
これまでしてきた学校の講義は半分ぐらいの時間が生徒さんたちの実習時間となるのに対して、クリニックの内容はこちらが一方的に発信し続け、注目され続ける2時間となる。
人から言われて気がついたことなのだが「ソロライブ」みたいなことだったのだろう。
クリニック終了後、2本目のビールで早くも“いい気分”になってしまったのは、一気に緊張が解けたからだったに違いない。
 
来月も開催するので、参加できる方は是非♪
 
詳細情報は横田ベーススタジオにて!(今日現在はまだ更新されていない模様)
 

僕にはたくさんの先輩の方々がいる。
これまで生きてきた全てのシーンや音楽の世界はもちろんのこと、日常や趣味の世界などでお世話になった方々のことを指す。
一方で後輩というものが極端に少ない生き方をしてきたように思う。
 
一般的な会社員経験が全くないので上司と部下という関係を持ったことはない。
無論フリーのミュージシャンの仕事現場にも明確な上下関係があるので、最低限の常識は持ち合わせているつもりではいる。
師匠にあたる人は何人かいるし自分が師匠になったこともあるにはあるが、いわゆる「後陣の育成」をした自覚はほぼない。
 
加えて僕は目下の人間に対して偉そうな態度を基本的に取れない人間のようだ。
愛称的に呼びつけをしている例外はいくつかあるものの(みなさんもそうしているようにDAIGOはDAIGOだ)、基本的には君やちゃんやメンといったフランクな敬称をつけて呼んでいる。(辻メン、深尾メンといった謎の敬称が定着している人は案外多い)
 
会社員の上下関係はこの辺りがいろいろややこしく厳しいのは知っている。
対外的には上司も呼びつけにするといった慣習はいまだに馴染めないのだが、そういうものだという理解はある。
 
ところで僕が後輩に対して傲慢な態度がなぜできないのかを自己分析してみると、答えはとてもシンプルだ。
 
「優秀な人間は自分なんて軽く超えてどこまでも偉くなってしまうから」
 
年齢が上だとか、経験年数がちょっと長いからといった些細な理由で上下が決まってしまうことに違和感もあるし、もしも先輩ヅラしていばり散らしていた相手が自分の上司になってしまい、今度は逆にいばり散らされたとしたら……とてつもない屈辱感を味わうことになるのだろう。
 
 
なので僕は威張らないし、威張られたくもない。
 
 
さて、ミュージシャンの先輩後輩のルールは微妙らしい。
僕自身はスタッフとしての経歴の方が圧倒的に長いので、結局このミュージシャンルールには馴染めないまま客観的に捉えるのみだったのだが、、、基本的には「デビューをした順」が基準になるそうだ。
 
例えば「ラルクとグレイはどちらが先輩ですか?」なんて知恵袋の答えを見てみると、
「どちらもデビューは同じ1994年ですがバンド結成はグレイが88年、ラルクが91年なのでバンド歴が長いのはグレイです」と書いてある。
さすがにあそこまでの大物バンドとなってしまうと「俺らの方が結成早かったし」といばることもないだろうが、結構この先輩後輩事情は複雑らしい。
中でも知名度といった一般的な格差があまり反映されていないように思えるのが、僕の中では最大に疑問だ。
近場のミュージシャンでも「え?明らかに目上なのにタメ口きいちゃうの?」といった違和感を感じる関係を幾つも見かけてきたが、なにか僕の知らない別ルールがあるのかもしれない。
 
自分を例に挙げてみると……
UVERworldのSEIKA君は今だに僕のことを慕ってくれる後輩となるのだが、今では彼のほうが知名度も収入も全然上だ。
ね?いばってなくてよかったでしょ?(笑)
一時期は同じマンションの別の階に住んでおり、お互いの部屋を行き来しては情報交換をし合ったり、地元駅前の居酒屋に行ったりもしたが、今度飲みに行った時はぜひご馳走してもらいたいと思う←プライドなし
 
「威張る」という行為はどこか滑稽で子供っぽいとも思っている。
最近流行りの言葉では「マウンティング」というそうだが、自分の立場が上であることを強く主張することを指すのだろう。
威張る行為の何が滑稽かというと……本当に偉い人というのはそんなことをする必要がないということだ。
威張ることによって自分の立場が上であると主張しなければならないというのは、裏を返せばちっとも偉そうに見えないから一生懸命アピールしなければならないということになるのではあるまいか?
 
そして本当に偉い人というのはなにもしなくても偉い人に見えるか、あるいは偉そうに見えないことをちっとも気にしていないかのどちらかなのだ。
「偉い人に見られたい」という行為が子供っぽく見えてしまうのも無理からぬことだろう。
 
威張られて不愉快に感じた時には「ちっさいなぁ」とほくそ笑むことで精神バランスを整えることにしている。
みなさんも試してみてはいかがだろうか。