TROUBLE〜本編

前回からの続きである。
開封した「HDMIスプリッター」が機能してくれない!
「ケチって安物を買うんじゃなかった!」と後悔しても後の祭り。
 
モニター画面が一つしか使えないということは、次の三択しかないのでは?
 
1.自分がモニターを見ずに心眼を使ってDTMをやり切る
2.もしくは聴講者のみなさんに心眼を使ってもらってDTM画面を心の中に投影してもらう
3.さもなくば自分も聴講者と同じ向き、後ろ姿で講義する
 
どれもイケてないというか……心眼とか言ってるだけで実際無理だし!
 
なんて引っ張りつつも実のところヨコタベーススタジオは町田駅から徒歩3分ほどの好立地、駅前にはヨドバシカメラがあることも知っていたので「最悪当日あそこで調達すればいいや」ぐらいに思っていたのだが、案の定その通りになってしまった。
速やかにヨドバシに向かい、手短に現状のHDMIのトラブル内容を店員さんに伝えると「そういった事情でしたらコレしかないと思います」とすすめられたのが、いかにも高性能っぽい見た目の機械。
信号の増幅をしっかりしてくれる機器じゃないと厳しいと説明を受けたが、、、
くっ!ネットで買ったやつの3倍以上の値段ぢゃないか!
しかしここでケチってまた映らなかったらイヤだ。
「じゃあそれで」と即答してすぐに購入。
手痛い出費となってしまったが背に腹はかえられぬ。
スタジオに舞い戻り接続をしてみると……あっさりと2画面にマックの画面が映った。
「安物買いの銭失い」の典型例である(´_ゞ`)ちーん 
 
(どちらが安物とかは書かないが即バレのような気もする(笑))
 
しかし思わぬタイムロスをしてしまった。
まだ出音の確認すら取れていないのに会場時間まで1時間を切っているではないか!
急がねば!やらなければならないことはまだまだある。
ふとPC画面をみると外付けのSSDの名称が「17%$^#*2」こんな感じで文字化けをしている。
「……なんだろこれ?」
とてつもなくイヤな予感がしたのだが、とりあえずその先は考えないことにする。
目をそらすようにセットアップを進めるが、不安な気持ちを抑えられない。
「ナーニ、きっと大丈夫だろう」
とは思うものの、(多分ダメなんじゃないか?)という思いがよぎる。
 
外付けのSSD(超高速ドライブ)は本日の講義で使用するソフトシンセ類のデータがビッシリ入っており、いわば倉庫のような役割をしている。
近年のソフトシンセは大容量を謳ったライブラリが主流となってきており、例えば「OMNISPHERE2」は約60GB、「VintageVault2」で116GB、「KOMPLETE 11」で126GBと、目眩のするような膨大な容量を必要とするライブラリー量のものが多い。
ノートPCだと内蔵ドライブ128GBとかは割と普通にあるスペック、つまりソフトシンセ1本だけでも本体メモリー全部を埋め尽くしかねない容量なのだ。
ピアノ専用音源の「Ivory2」などにしても、ピアノの音だけで実に77GBもの容量を費やすことになる。
 
そして自宅作業と外作業といったように、別々のコンピューターにこれらをいちいちインストールするのは非常に効率が悪いので、僕は外付けSSDに一括管理をしているのだが……
 
そのSSDの名称がなぜか書き換わってしまっている。
それってつまり……もしかして最悪……
と思いつつ本日使用するシーケンスデータを開いてみると……
 
 
案の定いや〜んな感じの画面が表示される。
データが格納されているべき番地を見失って「どこどこ?」と困っている状態なのだ。
「Find all missing samples」というボタンを押しても予定調和のように見つからない。
 
そして僕は、外付けSSDにどんな名前をつけていたのか全く覚えていなかった。
 
つまり、本日使用する十数曲分の音色全てを再設定してやり直すか、気合いを入れてSSDの名前を思い出すかの二択を迫られることになった。1時間以内に。
どちらかの手段で解決しないと、今日の講義内容はかなりショボいものになってしまうことは明らかだ。
しかしメドレーのようにいろんな曲をデモ演奏するので、使用している音数は膨大だ。
とてもじゃないが小一時間で再設定できることではない。
しかしもう一方の「気合で名前を思い出す」って……どうやって?
 
どうする俺?
 
(またもやつづく)