TROUBLE〜Outro

ハードディスクの名前が書き換わってしまい、肝心の手弾きシンセの音が発音されなくなってしまうというトラブルに直面した俺氏大ピンチ!
オンガクギョーカイ歴30年はクソの役にも立たないのか?(実際あんまり役に立ちません)
どうする俺?
 
という前回からの続きである。
 
それにしても書き換わってしまった外付けドライブの名前が思い出せないのがどうにも悔しい。
これが内蔵ドライブだったら「Machintosh HD/SSD」に統一しているので迷うこともなかったのだが、外付けドライブに関しては、僕はこれまでかなり適当な名前ばかりつけていた。
「JIN 2017」とか「Storage」とか「3TB Backup」とか……名前を失ったこのSSDはどのパターンを適用していたものやら……
(↑エラーメッセージに一番肝心なドライブ名が表記されていないことが実に恨めしい)
内部設定を見ようとしてもエラーメッセージが前面に出てしまって他の画面に行けない。
 
焦りながら手当たり次第に思いつく限りの名前を入れ直してみるものの、名前を変えるたびにアプリケーションを一旦終了させて起動し直さなければならないのでやたら時間がかかる。
「640G-SSD」「650GB SSD」「JIN 2018」「STORAGE」「HD」
ダメだ、認識してくれない。泣きたくなってくる。
現状では鍵盤を弾いてもほとんどの音が出ないという状況を打破できないのだ。
 
本番まであと30分を切ったあたりで脳内に何かがひらめいた!
 
そうだ!ここんとこずっと電子書籍の作成で画面のスクリーンショットを沢山撮っていたではないか!
「スクリーンショット」で検索をかければPCのデスクトップ画面の1枚や2枚出てくるのではないか?
そこには外付けSSDの名前も一緒に写っているのではないか?
早速Macの「Spotlight」で検索してみると……
膨大な量のスクリーンショットが表示される。
 
しかし……どの画像もどの画像もデスクトップ全体を撮ったものではなく、「⌘+Shift+4」で要所だけを的確に押さえた拡大画像しか出てこない。
さすが俺様、無駄を省き最小限のデータ節約術の賜物のような結果に関心する一方、やはりそんなカッチリした性格の自分を呪いたくなってくる。
せめて1枚ぐらい大雑把に「⌘+Shift+3」で画面全体をキャプチャーしたものがあってもいいじゃないかよ……
 
やはり1曲1曲丹念に再設定し直すしかないのか?
時間だけがいたずらに過ぎていく。
 
受付を終えた受講者のみなさんのザワザワした雰囲気が伝わってくる。
心配そうにこちらの様子を定期的にうかがいに来るスタジオオーナーの横ちゃん。
彼との付き合いもかれこれ20年以上になるが、こんな不安な表情で見られたことも過去になかっただろう。
 
残り15分、もはや何も思いつかない。
このまま鍵盤が機能しないまま、2時間+2時間の講座を乗り切らなければならないのだろうか?
泣きたい。
時間を巻き戻したい。
 
ディスクドライブの名前一つが書き換わっただけでこんなトラブルに発展してしまうものなのか。
前日とか自宅でならばもうちょっと落ち着いて考えることができただろうとは思うけれども、現場でリアルタイムに起こるトラブルというのは、時として悪魔的なまでに判断を見誤ることがある。
 
この時の僕がまさにそうだった。
 
なんか忘れてないか?
根本的なことを?
落ち着いてもう一度考えてみろ。
 
困った時は……ネットに聞け!
 
なぜ最初にそれをやらなかったのだろうか?
エラー画面の文字をそのままGoogleに入れてみる。
 
「Couldn’t load the file UVI」
 
あっさりと解決策を提示したメーカーのQ&Aページがヒットする。
 
 
先ほどは行けないと思っていた初期設定にあっさりと進めてしまい、元のドライブの名称もすぐに確認ができてしまい、SSDの名前を書き換えて再起動したところこれまた何事もなく開いてくれた。
開始10分前のギリギリのタイミングで全てが復帰してくれた。
突如としてはじまったトラブルは突如として解決してくれた。
 
お…おけ!
ゆくぞ!リハなしぶっつけの講座二本立て!
 

 
僕は基本的に「運命には抗わないし受け入れる派」の人間だ。
自分の身に嫌なことや困ったことが降りそそいできたとしても、きっとそれには意味があり理由があり後になれば「自分にとって必要なことだったのだ」と、前向きに思うことにしている。
 
と前々回にも書いたのだが、このトラブルにはどんな意味があったのだろうか?
 
今になって思う。
神様が与えてくれた試練の意味は「そこまで詰め込み過ぎなくてもいいんじゃないの?」ということだったような気がする。
トラブルの始まりと終わりは、まるで本番前の準備時間を意図的に封じられたようにも思えたからだ。
 
せっかく遠方から参加してくれている方もいらっしゃるのだから、ここは時間いっぱいを使って可能な限り多くのことを伝えたい。
その思いに変わりはないけれど、一方では「2時間+2時間は集中力の持続が難しい」「内容が多過ぎて混乱する」といった負の要素にもつながるようだ。
 
実のところ最終調整ができなかったので、一部二部ともお伝えできなかった項目がいくつか残った。
しかしそれは逆の課題になったような気もしている。
よりシンプルに、より確実に、という方向性を目指すべきなのだと教えられたようにも思った。
 
見直すべき点、改善すべき点はまだまだある。
だけども準備万端、リハーサルもバッチリで練り上げた内容をドヤ顔でやりきっていたら、もしかしたらそういったことに気がつけなかったのかもしれない。
そんな当たり前のことを気がつかせてくれるために、ライブ感アドリブ感を神様が采配したのかもしれないなぁ……と自分の中で思うことにした。
 
 
そんなわけで3回に渡って書き続けることだったのか?という思いは残りつつもトラブルの話はこれで終わりである。
ご静聴ありがとうございました♪