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映画の中のBIJIN

「ブレードランナー2049」に登場するホログラムの恋人ジョイがとても可愛らしく美しいと思った。
演じているのはジョイアナ・デ・アルマスというキューバの女優なのだが、改めて画像検索をしてみると……
あれ?ジョイのイメージとはちょっと違う。
美しいには違いないのだが、映画の役を演じている彼女と実際の彼女には小さくない隔たりを感じる。
これはむしろ役者冥利に尽きる最大限の賛辞であると言えるだろうし、役者は監督の力量によって自在に美しくもなり、また時には恐ろしくもなれるのだとも思う。
(ジョイは主人公の都合の良い願望を叶えてくれる究極のバーチャルガールフレンド。露骨なまでに「萌えるシチュエーション」を仕掛けてくる)
洋画の中の美人では珍しく日本人でも素直に「萌え〜❤️」となれるキャラクターであろう。
男子諸君は是非ドキドキしていただきたいと思う。
 
 
対照的な美人も挙げてみたい。
こちらは「ザ・マミー」で呪われた女王を演じたソフィア・ブテラである。
ジョイアナ・デ・アルマス同様、画像検索をかけると……やはり映画の中のイメージとは違う。
役者人生は楽しそうであり、映画監督という仕事は偉大なのだなぁと改めて思ったりもする。
 
細川智栄子原作「王家の紋章」の実写版をハリウッド資本で撮るなら、王女アイシスは彼女で決まりだ!
 
さてこの呪われた女王、美しいのは大変結構なことなのだが、映画を見ていて大きな問題が生じた。
それは、一点の曇りもない徹底的なまでの悪役にも関わらず、そのあまりの美しさゆえについつい自分がこの悪女を応援する立場に回ってしまうのだ(笑)
加えて映画の中のヒロインはいまいちパッとせず、トムクルーズもワガママで横暴なキャラなのでシンパシーを抱けない。
さらに呪われた女王は野望を抱いて悪魔に魂を売るようなことをしたとはいえ、悲惨かつ無念の最期を太古の世界で遂げており、見方によっては(あくまで贔屓目な視点においては)可哀想にも思えてしまう。
見ている我々が「うんうん人類に対して怒るのもわかるわかる。どんどん復讐しちゃいなさいよ!」となってしまうのも無理はあるまい。
 
 
ダークヒーローやヒールと呼ばれている本来の悪役が、時に主役を食うような映画というものはそんなに珍しくもないだろう。
しかし見ている側は共犯的な共感を部分的にするとはいえ、本来の筋道までは見失わないものだ。
スパイダーマンやバットマンに出てくるドクターオクトパスやハービー、デスラー総統やシャア・アズナブル大佐などの味のある悪役キャラたちであっても、我々の中で「正義ではない」という大前提が覆ることはない。
どんな大義があるにせよ、地球に遊星爆弾やコロニーを落とすのはよくないことなのだ(笑)
 
ところがこの呪われた女王の場合は、困ったことに最終系の恐ろしいルックスに変貌してもなお美しく、真剣に復活してもらいたくなってしまうほどの悪魔的な美しさなのだ。
悪い人だということはわかっているし、復活したら世界がとんでもないことになっちゃうのもわかっているのだけれども……彼女が滅びてしまうのはイヤだ!死んでほしくない!人類は彼女に支配されてしまえばいいのに!
 
 
ああ!こんな恐ろしい姿になっても尚、美しいと思えてしまう。こんなBIJINになら憑り殺されてもイイ!
という監督の溢れる想いがビンビンに伝わってくるのだ。←と監督のせいにしてみる(笑)
しかし最大限好意的に解釈はしているものの、全体のバランスを考えるとそこまで悪役を美しく描ききってしまうというのは、映画監督の技量としては少々疑問に思う点がなくもない。
本来ならばヒロインこそ美しく描ききらなければならなかったはずだろー(笑)
 
 
ところでこの「抗えないBIJIN」という感覚は前から知っているぞ!
と思ったのだが、すぐにその答えがわかった。
これはきっと怪談「牡丹灯籠」のお露さんである。
 
「牡丹灯籠」は、「番町皿屋敷」「破られた約束」に並ぶ古典怪談の傑作だと僕は思っているのだが、要約すれば「美しい幽霊に取り憑かれて殺されてしまう男」の物語だ。
牡丹灯籠のオリジナルは落語なので噺家の力量にもよるのだろうが、登場する幽霊のお露さんはそれはそれはイイ女で、薄々奇妙だとわかってはいながらも毎晩逢瀬を重ねてしまう主人公新三郎に対して「それだけのイイ女ならば無理もない」と誰もが思ってしまうような、男のサガをくすぐる物語でもある。
(「全然怖くない怪談シリーズ」と本人が自虐的に紹介しているが、魔夜峰央氏のホラー描写は凄く怖いと思う。恐怖と笑いには共通点が多いのだと実感できる)
 
もしも貞子がセクシーな幽霊だったら?呪い方もムフフな手段で……とか思うと血も凍るようなホラー映画もだいぶ楽しげに思えてくるではないか(笑)
 
調べてみたら本当にそういうエロマンガもあった(笑)
 

 
話が逸れた(笑)
 
ところで1枚の写真だけをみて誰しもが即「美人」と判断するケースは案外少ないように思う。
上に示した女優さんたちの写真にしても、映画を見た人と見ていない人では感じ方がまるで違うと思われる。
呪われた女王の最終形態などは予備知識なしで見たらば恐ろしいだけかもしれないが、映画を見た人ならば僕に近い感情を抱いた方も多いのではないだろうか。
とはいえ、映画を見て「美しい!」と思った僕が、オフショット写真を見てピンとこないことからもわかる通り、あくまでも演じている役柄、つまり架空の人物に心を奪われていることになる。
例えるならば、どんなにトム・クルーズがイイ男であっても、じゃあ実物の彼に突如求婚されたらあなたは結婚できるだろうか?
……するか!そりゃするな!ってかしなよ!もったいない!(笑)
 
と論旨やら結論やらがグチャグチャになったところで今日の要点をまとめる。
 
○映画の中のBIJINとは、人物描写なども含めた表現者の熱い思いの集合体である。
○演じる役者はまるで別人であり、本気で憎たらしい悪役を演じたからといってその役者を嫌いになったりしてはいけない。美男美女を好きになるのは…好きにしなさい(笑)
○名監督の作品には案外美人が出てこない。スピルバーグ、キューブリック、キャメロン、黒澤明等の名作を思い返してもなぜか美人が出てくる印象があまりない。
 
ちなみに僕がこれまで見た映画で最も美しいと思ったBIJINさんは……
グチャグチャホラー映画「フェノミナ」のジェニファー・コネリーである。
可憐な少女役(当時15歳)なのだがとにかく美しい。
のは結構なのだが……彼女の後のキャリアからは到底想像もつかないようなひどいことをさんざんやらされている映画でもある。
グーパンチでぶん殴られるわ嘔吐させられるわ挙げ句の果てには……これ以上は恐ろしくて書けない(^^;
現在Huluで配信されているがとてもじゃないがオススメできない。
決して見てはいけない!いいな?言ったぞ?←(見てね)