カテゴリー別アーカイブ: 2017 VAMPS WORLD TOUR

これは時差ボケ?

前回の「中古水」はタナパイ(「MAN WITH A MISSION」のトーキョータナカ氏)がリツイートしてくれたおかげで大変な反響だった。
おそらくこれを機にアメリカ大陸横断ツアーバスに乗る日本人の間で固有名詞化されるであろう「中古水」であるので、ぜひワンオクさんはじめアメリカで頑張る他のバンドでも定着していただけたらと願うばかりである(笑)
 
中古水に関してはフォロワーのみなさんからもいろんなアイディアが寄せられた。
当事者の知恵だけでなく、多くの皆さんの意見が寄せられるSNSはネット社会の「陽」の部分なのであろう。
これからもみなさん共々じょうずに活用していけたら幸せだなぁ…と強く感じた。
 

さて、そんなツアーバスとお別れをしてからかれこれ1週間が経つ。
その間我々はロサンゼルスからメキシコのグアダラハラに向かい、そこで数日滞在しつつライブを無事終え、さらに飛行機でメキシコシティーを経由しつつ乗り継ぎ便でチリのサンティアゴに入っている。
元々はメキシコシティーで予定されていたイベントが震災の影響でキャンセルされたために急遽チリへ早めの移動となったわけだが、本来宿泊するはずのホテルは混雑していたので別のホテルに二日間滞在し、先ほど予定されていたホテルに落ち着いた。
窓の正面にはアンデス山脈がドーンと見渡せる素敵な立地のホテルである。
 
この1週間で3箇所のホテルに宿泊しているのだが、どのホテルも素晴らしかった。
ベッドはふかふかで広々としておりシャワーもあればソファーもある。……ほぼ当たり前の条件なのだが、バス生活を長くしているとそんなことにも感動するのだ(笑)
昨日までのホテルには広いバスタブもあり、満を持して温泉のモトを入れて「あーどっこいしょー!あーっっ!」とオヤジクサイ呻きというか雄叫びをあげてしまったほどだ(笑)
(あまりの嬉しさに部屋の写メを撮ってしまうぐらい舞い上がるw)
 
そして何より自分一人のプライバシーが100%保たれた空間。
隣のベッドからイビキや歯ギシリが聞こえてくることもなければシャワーの順番待ちをする必要もない。
“大”をしたい時は「赤ちゃんのお尻ふき」とパスポートを手に(とりあえずパスポートとオオトリ様だけは肌身離さず持ち歩くべし)ガソリンスタンド休憩でトイレに走っていたあの不便な生活ではなくなったのだ。
 
なんと快適なホテル生活!
いつでもウンチのできる生活(笑)
 
し・あ・わ・せ❤️
 

……のはずだったのだが、なんだろうこの違和感は?
 
というか、正直居心地が悪い。
というか、正直楽しくない、寂しい。
というか、正直なんか強迫観念のようなものに囚われている?
というか、正直いつでもウンチできるってそれほど重要じゃない。(お腹を壊した時を除く)
 
え?なんで?なんでなの?
バスの中では夢にまで見たホテル宿泊なのにぃ!
 
とにかく数時間おきにガバッと起きてしまう。
その時にベッドが揺れていない静けさにまず不安になる。
「知らない天井だ…」と思うのはエヴァファンの後付け的な説明だけども、自分一人で部屋の中にポツンといる不安感を感じるのは本当だ。
 
おかげでまた時差ボケのような生活に戻ってしまっている。
まぁアメリカ西海岸ーメキシコーチリには微妙な時差があるにはあったのだけれども、せいぜい1時間とか2時間。わざわざボケるまでの時間ではない。
 
なんなのだこれは?
 
と疑問に思い、考えあぐねて一週間、先ほど答えがわかった。
 
これは時差ボケではない。
 
いわばバスボケだ!
 
快適なバス生活が恋しくてボケているのだ!
そうだ!そうにちがいない!
 
考えてもみたまえ。
バスに乗ってアメリカ大陸を縦横に走っていた日々のことを。
 
(無骨でシンプルなツアーバス。イカス!)
 
ライブを終えシャワーを浴びバスのロビーでビールを飲んでワインを飲んでさらにウイスキーを飲みながら宴会をしていた日々。
記憶を飛ばしかけ、もしくは飛ばしても、眠くなれば10歩歩いて自分のベッドに潜り込み、狭いけれども心地よいベッドに揺られながら(まさしく揺られながら)眠りに落ちる日々。
目覚めても静かに揺れ続け、トイレに行きたければモッソリ起き上がって用を足し再び眠りに落ちる日々。
寝過ごすこともなく、会場に到着すれば誰かが「着いたぞー」と起こしてくれるので何の心配もいらない。
楽園のような生活ではないか。
(陽気なJIMとちょっとエッチなJordan)
 
ところが今はどうだろう?
 
まずは飛行機という乗り物がまず煩わしい。
荷物をチェックインするのがとにかく煩わしい。
パスポートとエアチケットを常時携行していなければならないのがマジで煩わしい。(オオトリ様とは大違いである)
普通の旅行ならさておき、我々は機材の移動も含めてなので10人で48個とかの大量の荷物をまずカウンターに預けなければならないのだが、これがまぁ海外の空港では時間のかかることかかること!
ロサンゼルスのカウンターなんてあなた!日本で30分で済んだことが3時間半かかってもまだ終わらずにあわや数名乗り遅れそうになるぐらいまで追い詰められるし、その空港に向かうにしてもかなり余裕を持って到着しなければならず、グアダラハラに至ってはホテル出発が早朝の3時半とかだったし!
 
そしてようやくチェックインが終われば次は出国時にテロリスト扱いされ厳重なX線チェックやら荷物検査やら。
飛行機内に乗り込んだら乗り込んだでギュウギュウの座席の中で耐えること数時間。
到着したらしたで今度は犯人扱いの入国審査に先ほどの48個の荷物が全部あるか何重ものチェックをして、そして税関審査やら機材の持ち込み申請用紙のチェックやら検査やらをかいくぐり、その48個を複数のカートに分けて載せてそれをさらに車に載せ、ホテルに到着したら48個全てを降ろし、48個のうちの38個を倉庫に預けたりあるいは自分の部屋に持ち込んだりし、朝になればまたそれをまた全部出し再び車に乗せ……🔁
 

これがバス生活ではどうだったか?
 
牽引している機材車から楽器を降ろし、ライブが終わったらまた積む。以上。
なんとスガスガしくもシンプルな日々だったことか!
 
今はホテルのベッドで眠っていてガバッと起きた時はまず「いまなんじ?」の確認に走ってしまう。
そして「あぁよかった、寝過ごしていなかった」という安堵と、その後に「ちっ!起きちまったよ!」という悔しさが伴う。
これがバス生活の時はどうだっただろう?
目覚めてまずはバスが動いているかいないかを背中で感じる。
動いていたら「よし走行中」と思うし、止まっていれば「トイレ休憩かな?」と思う。
その時に尿意や便意をモヨオスようならムックリ起きるし、そうでなければ再びまた寝るだけだ。
乗り過ごすこともなければ乗り遅れることもなく、本当に寝坊しそうな時は誰かが起こしてくれる。
考えてみればなんと居心地のよい空間だったことか!
 
世間のしがらみも近所付き合いも日常のイザコザも一切ないバス空間。
 
あぁ恋しいかなバス生活!
 
 
……とここまで勢いで書いて、そして読み返して思った感想は二点。
 
1.バス生活=ダメ人間生成所!( ゚∀゚)・∵. ガハッ!! 
2.ショーシャンク刑務所を数十年ぶりに出所した老人か俺は!
 

しかしバス生活は実際相当疑いようのないダメで怠惰な毎日だ。
この生活に慣れてしまってからの日常への更生期間は本当に大変だ。
朝の9時に目覚めることがもう苦痛、いやそれ以前に目覚ましをかける時点でほのかに感じるストレス!
起きられなかった時の劣等感、慌てて着替える屈辱感。
お店で酔っ払った時に「寝床まで帰れるかな?」というプチ恐怖心と面倒くささ。
「起こさないでください」の札を出し忘れてホテルの清掃のおばさんにガチャッと入られた時の羞恥心、気まずさ。
 
そんなものは一切バス生活にはなかった!
 
今もバス生活を続けている狼さんたちはきっと我々吸血鬼以上にダメ人間化、いやダメ狼化してはいまいかとただただ心配である。
僕らは人間生活に戻ってこられたからいいけれども(全然戻れてないからコマリモノなんだけれども)、彼らはこの先大丈夫だろうか?
悪性化しすぎているのではあるまいか?
心の底から心配なんである。
 
……ほんっとうに余計なお世話である(笑)
 
と狼さんリスペクトで始まり、狼さんリスペクトで今回のブログを唐突に終える。